好き嫌い
誰でもひとつぐらいは、「好き嫌い」がありませんか?
小学校では学校給食や高学年の家庭科を通じて食物に対する興味を持たせ、好き嫌いをなくすように指導しますが、
家庭でも好き嫌いを直すように指導することは可能です。
1. 子どもの嫌いな食品
2. 子どもの知覚的要因と嗜好
3. 好き嫌いをなおすために
4. 好き嫌いへの対応
5. 大人の好き嫌い
1)子どもの嫌いな食品
■下記の図1は日本スポーツ振興センターが、平成12年に全国の公立小学校5年生、
中学校2年生(各都道府県あたりそれぞれ120名)に対して嫌いな食物を調査した結果です。
図1:食品群別に見た子どもの嫌いな食品(複数回答)
注:項目は小学生の回答上位6項目
出 典 独立行政法人 日本スポーツ振興センター
(URL:)
平成12年度「児童生徒の食生活実態調査結果」
調査時期 2000年11月
調査対象 全校47都道府県の公立小学校5年生、中学校2年生およびその保護者
回答数 9,884人
● 各食品群に含まれる食品数は食品群によって異なります。
食品群と収載食品数はこちらです。
<サイト内関連リンク>
■ アレルギーやアトピーの症状がある場合・・・・・・「好き嫌い」ではなく、必然的に食べられません。
エビデンスに基づく看護実践は何ですか?
■ <食物とその周辺> 各地の食情報 食材DATA・・・・・・嫌いな食品に興味を持たせるためのリンク
■ <栄養素の基礎知識>・・・・・・・成長期の子どもの栄養所要量は大人と同じではありません。
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2)子どもの知覚的要因と嗜好
■子どもの嗜好は大人と同じではありません。
大人が好む味は子どもには受け入れられにくいことがあります。
子どもはいろんな食物を繰り返し食べることで慣れていきます。
表 子どもの嗜好に関わる要因(項目別)
■ その他の嗜好に影響を与える要因
外観・・・色・形・大きさ(大人の口と子どもの口は大きさが違います。)
温度・・・・大人が適温と思っても子どもには適温ではないことがあります。
1)基本的な味から慣れさせる。 <例:甘味・うま味(アミノ酸)>
2)香り・においに少しずつ慣れさせる。生臭み・発酵臭・刺激の強いにおいが苦手なことがあります。
3)子どもが咀嚼しやすい、口あたりの良いものに調理するなどの工夫をする。
<参考>子どもにとって食べやすくする工夫の例
● 生臭みや食材の香り・・・・・・・・・調理方法で消すこともできます。
●「食べやすさ」・・・・・・・・・・・・子どものおかずを味付けをする前に取りけたり水分が少ないものや硬いものは、食べやすくしてみましょう。
● 好きになった食材や料理の香り・・・・「おいしさ」を思い出してまた食べたくなります。
子どもが好むものばかりを与えず、いろいろな食物に挑戦させてあげましょう。
3)好き嫌いをなおすために
■好き嫌いのデメリット
1)摂取できる食品の種類が限られる。
■嫌いな食品があることは必ずしも良いことではありません。
目的の栄養素が代わりに摂取できる食品が必要です。
何でも食べられればいろんな種類の食品成分が摂取できるうえ、
それだけ食生活は変化に富んだものになります。
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2)人格の形成に影響を与えることがある。
嫌いな食物を食べるのは子どもにとって苦痛を感じる場合もありますが、
精神的なわがままで食べない場合もあります。食物が嫌いなのか、
または甘えが原因であるのかの判断が必要です。
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4)好き嫌いへの対応
■子ども達にとっては食べたことがない目新しいものがほとんどです。
新しい食物を受け入れるまでには慣れが必要です。
いろんな味にチャレンジしていくことで、好きな食物が増えていきます。
そして自分好みの食べ方が定着していきます。
■嫌いな食物がある場合の対応は家庭によってさまざまです。
大人が新しい食品を使わないと子ども食品選択の幅は限られます。
子どもがその食品を知らないで育ちますからまた食べるものが限られることになります。
いろんな食物を取り入れた方がいいですね。
図2 家庭での好き嫌いに対する対応
注:東海女子短期大学食物栄養専攻の学生66名の親を対象に、
子どもの好き嫌いに対する対応の想起調査を行ったもの。調査時期は1994年1月。
(資料:東海女子短期大学紀要 第26号 2000 偏食を生み出す要因に関する研究)
図3 偏食についての指導(子ども期の回想)
東海女子短期大学 食物栄養専攻の学生66名を対象に、子ども期(4〜8歳)の想起調査を行ったもの。
調査時期は1994年1月。
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5)好き嫌いを直す方法
■ 子どもの味覚は発達するにつれて多様な味を受け入れることができるようになります。少しずつ食べることで慣れていきます。
■ 子どもはあまりたくさん食べられません。好きなもの食物だけで満腹感を持ってしまうと、他の食物が食べられなくなります。
またよく似た味や食感の食物が続くと飽きてしまいます。もちろん新しい味や食感を覚えることも食事の楽しみのひとつです。
いろんな味や食感のものを組み合わせて食べましょう。好き嫌いが精神的なわがままによる場合もあります。一緒に食べておいしいねというだけで解決できるかもしれません。
結婚>は何ですか?
■ 調理に関するページへリンク: <調理の科学> 食スタイル
■ 食材に関するページへリンク: <食の雑学> <伝統野菜> <各地の食情報>
■ <子どもの嗜好の特徴> <好き嫌いへの対応>
図4 魚介類を好きなった時期
注:奈良県内にある大学2校、短期大学2校に在学する2回生395人を対象としたアンケート結果。数値は回答した人数。
調査期間は1999年4月〜5月。魚介類の嗜好を「大好き」とした115名、「好き」とした161名の魚介類の好きになった時期を幼稚園以下から高校までの選択で回答。
魚の「大好き・好き」の嗜好は低年齢でほぼ決まる傾向がみられる。
(資料:日本食生活学会誌 vol.37 no.2 大学生の魚介類嗜好と食生活)
■ ちょっとお腹が空いたと感じると、すぐに何か食べることができる環境にいると、
あえて嫌いなものを食べる必要を感じないかもしれませんが、いろんな食物を食べて、好きになる機会をもつとより食事が楽しくなります。
■調理に関するページへリンク:<調理の科学> <食の雑学> <食事の文化>
図5 偏食の成立原因(経験内容と)現在の状況<複数回答>
資料 偏食の成立原因(経験内容)とその後の克服状況に関する一考察
柴本英博 武田則昭 川田久美 實成 文彦 地域環境保健福祉研究第3巻第1号 1999
■ 同じ料理を一緒に食べることでお互いの好みや食生活を知ることにつながり安心感や親しみがわきます。
好き嫌いのしない子どもと一緒に食事をさせることで、「ちょっと食べてみよう」という気持ちになるきっかけにもなります。
また好きなものばかり食べてお腹がいっぱいになると他のものが食べられません。
充分な栄養が取れていれば、嫌いな食べものを無理に食べる必要はありませんが、
幅広くいろんな食品から栄養を取ったほうが、変化に富んだ食生活になります。
図6 家庭での対応
出 典 独立行政法人 日本スポーツ振興センターホームページより
調査時期 2001年11月
調査対象 全校47都道府県の公立小学校5年生、中学校2年生およびその保護者
5) 大人の好き嫌い
■ 大人の好き嫌いはどのようなものでしょうか。ひとつは子どもの頃の食体験があります。
食物の、味、食感、色、においなどが受け入れられずに
大人になっても食べられない場合があります。大人になって嗜好を変えることは、
よほどのインパクトがないと難しいようです。
また、家庭などを中心とした比較的限られていた食生活の範囲が広がることによって、
今まで食べたことがなかった食物に出会う機会も増えます。大人になってからも食体験に影響を受けています。
参考文献
1)日本食生活学会誌 vol.37 No.2 2004 大学生の魚介類嗜好と食生活
志垣 瞳、池内ますみ、小西冨美子、 花ア憲子共著
2)地域環境保健福祉研究 第3巻 第1号
偏食の成立原因(経験内容)とその後の克服状況に関する一考察 芝本英博 武田則昭 川田久美共著
3)偏食を生み出す要因に関する研究 ―子ども期の食生活が及ぼす影響―東海女子短期大学大学紀要 第26号 2000
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