2012年6月3日日曜日

ITests.com - ITestsのご利用について


iTestsで練習できる試験にはどんなものがありますか?

iTestsは、国際的な主要英語検定試験に備えるための試験練習サイトです。Webサイトでは、PET、FCE、CAE、IELTS、TOEIC、TOEFLの各試験の模擬テストを受けることができます。弊社では、今後継続的に、他の国際試験と各国の試験を開発してサイトに追加する予定です。

PET、FCE、CAEは、人気の高い一般英語のケンブリッジESOL試験です。IELTS、TOEIC、TOEFL試験はアカデミックな英語の検定試験で、英国をはじめとする英語圏の大学進学に受け入れられています。

無料テストを受けるために登録しなければいけないのはなぜですか?

iTestsは、ユーザーが受ける各模擬テストのグレードと解答を保存しています。ユーザーがログインすると、以前に受けたテストの解答を表示することができます。また、プログレスチャートには、試験と試験の各パートの平均スコアが算出されるため、自分の不得手な分野が一目で把握できるとともに、試験の各パートの毎回の成績を確認できます。

英語検定試験のどのセクションを練習できますか?

iTestsでは、現在リスニング、リーディング、英語の使い方の練習問題を解くことができます。ライティングの自動採点もまもなくご利用いただけるようになります。

iTests.comで試験の練習問題を解くにはどうしたらいいですか?

Webサイトに登録するか、ログインすると、iTestsページが表示されます。ここでは、試験が細かいパートに分かれています。これらの一部は無料で、ボタンを押すことでテストを開くことができます。画面の指示に従って、問題に解答してください。テストを完了した時点で解答を送信すると、スコアが表示されます。

iTestsの使用は有料ですか?

2012年6月2日土曜日

芸術の秋にProcessingでスケッチプログラミングを始めてみよう(1/3) - @IT



絵心がなくても簡単に絵が描けるProcessing(1) collisions.doppac.cc
田中 孝太郎
2008/10/10

アートやデザインのための"プログラミング"

 読者の皆さんは「プログラミング」という用語や、それをすることに、どんなイメージを持っているでしょうか。仕事に使われるアプリケーションやWebサービスの開発の世界の「プログラミング」を考えてみると、多くの場合「実用性や効率が重んじられ、専門的な知識を持ったエンジニア/プログラマーが慎重に正確に行うもの」といったイメージではないかと思います。

 しかし一方で、実用性ではなくスクリーンに表されるイメージや動きの美しさ、見るものを引き込むインタラクションのアイデアをプレゼンテーションする「プログラミング」の世界も存在します。エンジニアではなくアーティストやデザイナーが、驚きやインスピレーションを求めて大胆に「プログラミング」を行う、そんな世界です。

2012年5月31日木曜日

ユーロ危機の行方 | NIRA 総合研究開発機構



問題提起 「ユーロ危機の行方」伊藤 元重(NIRA理事長)
視点1  「ユーロ危機の収束は可能なのか」
                 竹森 俊平(慶應義塾大学経済学部教授)
視点2  「ECBは国債の無制限購入を決断できるか」
                 伊藤 隆敏(東京大学大学院経済学研究科教授)
解説解題  加藤 裕己(本誌編集主幹)
参考資料

 2009年以来ユーロ圏では、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルで債務危機が生じた。ギリシャ危機は、欧州金融機関の債務超過問題となり、波及の大きさが問題視され、10月末のユーロ加盟国の首脳会議により、包括戦略が決定された。しかし、その後も動揺は収まらず、ギリシャ、イタリアの首相の退陣にまで至り、フランスやスペインの国債金利の上昇も生じている。本号では、ユーロ危機に至った問題の本質および対応策について検討している。

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問題提起 「ユーロ危機の行方」 伊藤 元重(NIRA理事長)

何が起きているのか?
 ギリシャの財政危機に端を発した混乱が、ユーロ圏全体を揺さぶっている。財政危機がスペインやイタリアのような大国に波及するのか、 これらの国の国債を大量に保有している欧州の金融機関は大丈夫なのか、通貨ユーロは今後どうなってしまうのか、 そして今の状況を脱却するためにはどのような手を打たなくてはいけないのか。様々な問題が浮かび上がってくる。
 そして今の時点に立って過去を振り返ってみれば、関連した別の疑問が浮かび上がってくる。そもそも、 ユーロという共通通貨システムには何か根本的な欠陥があったのか。それともユーロという共通通貨とは関係なく、 今回のような問題が起きうるのか。フランスなどの銀行は、なぜかくも大量にギリシャの国債を保有したのだろうか。 ギリシャ経済に問題があっても、何らかの形で欧州の政府の支援があると期待したのだろうか。ギリシャだけでなく、アイルランド、ポルトガル、 スペイン、イタリアなど、なぜかくも多くの国が同時に財政問題に直面する結果になってしまったのか。これらの国の財政問題は、 これらの国固有の問題というだけでなく、リーマンショックを起こしたグローバルマネーの問題と関わりがあるのだろうか。
 このように浮かび上がってくる疑問を並べてみると、ユーロ圏が抱えている問題が非常に複雑であり、 一つひとつの疑問に納得のいく答えを出すことがそれほど簡単なことではないことが分かる。
 財政破綻は古くから世界のあちこちで起きてきた問題であり、今回のギリシャなどのケースもその例外ではない。 財政危機に陥った国が市場からの攻撃によって問題が一気に深刻化していくことも珍しい現象ではない。 市場がその国の国債を受け入れることを拒否すれば、財政運営は一日たりとも成り立たないからだ。
 ただ、そのギリシャがユーロという共通通貨に参加していたことが問題を複雑にしている。ギリシャがユーロ圏に入っていなければ、 ギリシャはすでに破綻していただろう。しかし、ユーロ圏に入っていたため、 ユーロという通貨を守るためにもギリシャへの支援策がとられてきた。それでもどこかの時点でギリシャは財政破綻となるのかもしれない。 しかし、それではスペインやイタリアは大丈夫なのか。そしてそうした大国に波及することがあれば、 ユーロという通貨システムそのものが成立しなくなる、という見方もある。

共通通貨制度の欠陥
 ユーロという共通通貨が導入される以前から、多くの経済学者は共通通貨制度の問題点を指摘してきた。為替レートの調整機能が失われたとき、 経済はうまく機能するのかという疑問である。
 ギリシャやポルトガルのような国は、ドイツのような国よりも生産性の上昇率が低いだろう。また、産業構造から見ても、 潜在的な成長率にもギャップがある。変動レート制の世界では、ギリシャやポルトガルの通貨の為替レートが切り下がっていくことで、 生産性の差は調整される。しかし、ユーロという共通通貨の下では為替レートの調整は不可能だ。
 それでも、賃金や物価の変化を通じた実質為替レートの調整という可能性は残されている。為替レートは動かなくても、 ギリシャやポルトガルの賃金や物価が上昇しなくて、ドイツのそれが上昇すればよいはずである。 残念ながらこの調整メカニズムは期待通りの機能を果たしていない。ドイツの賃金や物価が大幅に上がることはなかったし、 ギリシャやポルトガルの賃金が下がるということも、賃金や物価の下方硬直性のために起こりにくかった。結局、ドイツは経済的に繁栄するが、 ギリシャやポルトガルのような国は経済的停滞に苦しむことになる。欧州の経済統合は、北高南低とも言うべき経済構造を作り出してきた。
 欧州の市場統合が進んでいく中で、市場統合による利益をもっとも受ける国や地域はどこか、 という問題が経済学者によって論じられたことがあった。一つの仮説は、国境を超えて自由に貿易ができるようになるので、 人件費の低いポルトガルやギリシャのような南の国に多くの企業が立地して、南の国が利益を得るという見方であった。そしてもう一つの見方は、 生産性の高い産業がドイツやフランスなどに集中し、有能な人材もそちらに引きつけられるので、北の国が有利に、 そして南の国は不利になるという見方であった。
 結果的には、後者の見方が正しかったようだ。欧州統合によって経済活動は北の方にますます集中するようになっている。 北の成長力が南の成長力よりも高いという問題は、北と南の国が固有にもっている差というだけではなく、 経済統合がそれを加速化している面もある。

2012年5月20日日曜日

中学・高校生の食生活と健康状況



朝食の欠食と夕食時間の乱れが目立つ

■先生が行われている中高生を対象とした食生活の研究とは、どのようなものなのでしょう?

●平成11年から始めた調査でして、東京・埼玉・茨城・長野の中高生のべ約6000人を対象に、食と運動などのライフスタイルと身体状況を調査しています。平成13年までは全国牛乳普及協会にご協力いただき、現在も継続して実施しています。

 中高一貫校も対象に入っているので、中学入学から高校卒業までの6年間を追跡して調査できることが特徴です。今まではある時点での横断的な調査はありましたが、このような追跡調査は日本にはなかったと思います。ちょうど今年が調査開始から6年目になりますので、その結果が出せるのではないかと期待しています。

■調査によって、現在の中高生の食生活にはどのような傾向が見えてきましたか?

●やはり中高生の一部には朝食を食べない生徒が増えてきています。中学生では約3%、高校生では約10%が「ほとんど食べない」と答えており、「週に2〜3日食べない」まで含めると10〜20%の生徒に朝食の欠食が見られます。

2012年5月18日金曜日

Vol.131:「結果よりプロセスが大事」 - 中古車インターネット販売成功法


ホーム > バックナンバー131~140号 > Vol.131:「結果よりプロセスが大事」

みなさんこんにちは
中古車インターネット販売成功法です。

「結果よりプロセスが大事」

みなさんは、映画やドラマをテレビで見たり映画館で見たりするとおもいます。
どんな映画が好きですか?

アクションものや恋愛もの、アドベンチャーなど、映画館に行けばたくさんのジャンルの映画をやっているとおもいます。

もしくは、大好きな映画やTVドラマのDVDやビデオをコレクションされていらっしゃるかもしれません。

いずれにせよ共通するのは、その映画やドラマの中には何かのプロセスが織り込まれています。

例えば「ロッキー」
有名なボクシング映画ですね。みなさんもみたことがあるかもしれません。
シルベスタースタローン扮するボクサーが、数々の苦難を乗り越え最後には栄光を手に入れます。

他にはどんな映画があるでしょうか?
例えばスティーブンセガール主演の「沈黙の○○」シリーズ
これも有名ですね。1つくらいはみたことがあるかもしれません。
普通に生活している主人公に何か問題が降り掛かって、それを解決していきます。

いずれにせよ、すべての映画やドラマに共通しているのは、主人公である誰かが、挫折や苦難を乗り越えて、栄光を手にしたり、たくましくなって成長したり、目的を達成したりします。

2012年5月17日木曜日

特集/最近の障害児教育をめぐって 504項と高等教育


特集/最近の障害児教育をめぐって

Section 504 and Higher Education

Suzanna Johnson* and Stanford E.Rubin, Ed. D.**

服部兼敏***

 教育はアメリカ市民に与えられる最も基本的な権利の一つである。しかしながら、ごく最近までわが国の公立学校は「障害者に対する均等な教育の機会を否定することにおいて高い成功をおさめている。」この状況は1970年代中期に実施された議会調査において収集されたデータに如実に示されている。議会は全米800万人の障害児のうちほぼ50%は適切な教育を受けていなかった、また約100万人の障害児は全く受けたことがなかったことを知った。1978年のリハビリテーション庁長官の次の声明を読めばこの数字に反映されている不平等というものがさらに明らかにされよう。「全障害者のうち完全に44%は初等教育かそれ以下の教育しか受けていないが、非障害者のうちこのカテゴリーに含まれるのはたった13%にすぎない。」この問� ��の解決に向けて議会は1975年の全障害児に対する教育法(公法94―142)を制定した。この法律は障害を持つ全ての子供たちに「出来うるかぎり最も行動に制約の少ない環境条件において」無料かつ適正な公の初等および中等教育を受ける権利を保障するものである。これを実効たらしめるため、公法94―142は障害を持つ学齢期の子供たちには障害を持たない生徒たちと教育の場面において、競争する力を最大限引き出すのに必要な「専門の特別なサービス」を提供することを規定した。議会は中等教育後にある学生にはこれらの権利を総括適応しなかったため、1973年のリハビリテーション法(公法93―112)の504項は高等教育機関への入学許可およびプログラムの修了の双方において障碍につきあたる。504項の「精神」そして「条項」とも適格 性を持った(qualified)障害者以外の個々人が今までずっと享受したと同じ高等教育を利用する権利を能力障害を持つ適格性を持つ個々人に保障するという連邦政府による公約を反映している。504項についての法規定は1977年に保健教育福祉省長官Joseph Ca1ifanoによって施行された。彼はこの法の高等教育に対する意味を次のように巧みに述べた。

 法は募集活動、入学許可、および教育プログラムにおいて障害学生を他の学生と等しく扱うことを求める。教育機関は障害に対する物理的設備、資材等の欠除を理由として障害学生がプログラムから除外されることがないよう保障することが求められよう。

 後半部は教育の水準を落とせとか、学位修得に必要な単位数や成績基準を変更するとかを求めるのでなく、連邦政府から資金を得ている大学等がある種の障害を持つ学生に対して「学位修得のための最大在籍年数を延長したり」、「学位修得を目的としたプログラムを遂行できるように教授法や試験方法を変更する」、あるいは「他の手段を持ってしては変えがたい場合、点字 本や他の補助手段を提供する」、ことが求められることもあるということを意味する。それゆえ、真随を一言で言えば、504項の趣旨の一つは能力障害を持つ個人のために大学の門戸を拡大するような刺激剤を与えることであった。

2012年5月15日火曜日


</head><body id="readabilityBody" > <p class="style1">第2節 食生活の現状と食料自給率向上の取組</p> <p>  我が国は、高度経済成長期を中心とした所得の向上や人口の増加等を背景として、食料需要の増大と食生活の高度化・多様化が進行し、今日では飽食ともいうべき食の豊かさを享受している。しかしながら、その一方で、国民の健康増進と深いかかわりがある食生活の乱れ、食料の生産から消費に至るフードシステム*1の改革の遅れ、食料自給率の低下等の問題が生じている。また、食料消費の動きとかかわりが深い経済社会の最近の動きをみると、我が国は、人口減少局面に入りつつあり、戦後生まれのベビーブーム世代(団塊世代*2)の大量の定年退職と高齢世代への移行を間近に控えるなど、本格化する少子高齢社会への対応が大きな課題となっている。</p> <p>   このような状況を踏まえ、本節では、食料消費や食生活について、少子高齢化の観点も踏まえて現状を整理するとともに、食料産業や農産物輸入の動向の分析を踏まえて、食育、地産地消、食料自給率の向上の取組の現状と課題について明らかにする。 </p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p> *2 昭和22〜24年生まれの世代で、16年10月1日現在、676万人と推計される。第二次世界大戦直後に生まれた出生数が突出して大きいこの人口グループは堺屋太一氏によって「団塊の世代」と呼称された。</p> <p><span class="style1">(1)食生活の現状と食育の推進</span></p> <p class="style1"> ア 食料消費の動向</p> <p> <em>(最近の景気回復基調のもとで食料消費はわずかに増加)</em></p> <p>  我が国の経済は、平成10年以降続いていたデフレ傾向を脱却しつつあり、最近の原油価格の高騰が内外経済に与える影響が一部で顕在化しているものの、景気は17年も引き続き緩やかに回復した。17年度(4〜12月)の世帯員1人当たり実質消費支出は、前年同期に比べ0.9%増と2年連続で増加しており、個人消費も緩やかに回復している(表I−4 ダウンロード)。</p> <p>   17年度(4〜12月)の食料消費についてみると、食料品の消費者物価指数は前年同期に比べ1.3ポイント低下したが、世帯員1人当たり実質食料消費支出は、1.4%増と3年ぶりに増加に転じた。品目別にみると、野菜・海藻、調理食品、果物をはじめ、ほぼ全品目において増加傾向に転じるなか、パンのみが前年に比べ減少した。</p> <p><em>(少子高齢化のもとで食料消費市場での高齢層の影響力は強まる可能性)</em></p> <p>   食料消費の動向は、所得や食料品価格等以外にも、年齢階層や出生年代の違い、さらには、人口構造の変化等によっても影響を受けると考えられる。</p> <p>   我が国の人口構造の特徴をみると、高齢化率は、17年には20%まで上昇する一方*1、合計特殊出生率*2も16年には1.29まで低下するなど*3、少子高齢化が本格化している。また、17年には初めて死亡数が出生数を上回る自然減が確認されるなど*4、人口は減少局面に入りつつある*5。さらに、人口の年齢構成上のピークを形成し、これまで経済社会の中核を担ってきた団塊世代が定年退職の年齢に達し、今後、高齢世代に移行するなど、我が国の人口構造は大きな転換期を迎えている。</p> <p>   以下では、年齢や出生年代の違いが食料消費に与えている影響について分析する。</p> <p>   まず、我が国の人口に占める中高年層の割合の高まり等を背景として、16年の我が国全体の食料消費支出の過半が団塊世代を含む55歳以上層で占められている。また、これら55歳以上層の割合は昭和59年から24ポイント上昇しており、その影響力は強まっている(図I−8)。</p> <p>   次に、現在の中高年世代の1人当たり実質消費支出について、世帯主の年齢間の差とこれらの世代の経年的な変化に着目して、その特徴を整理する。</p> <p>   平成17年の傾向を世帯主の年齢別にみると、いずれの品目も高齢層の消費支出が多いが、年齢間の差は、魚介類及び野菜・海藻で大きく、肉類及び調理食品では小さいという特徴がみられる(図I−9)。</p> <p>   また、現在の55〜69歳層に着目して、これら世代の年齢の上昇による変化をみると、調理食品は一貫して増加し、魚介類及び野菜・海藻も昭和55年(当時30〜44歳)以降、増加傾向を示しているが、肉類は平成2年(当時40〜54歳)以降減少傾向にある。</p> <p>   このように、年齢階層別の消費水準の違いや加齢による消費動向の変化は、品目ごとに異なっているが、各品目とも高齢層の消費支出が高い水準にあることは共通している*6。</p> <p>   さらに、年齢階層別の食に対する志向をみると、若年層では経済性や美食の志向が強いが、国産志向は弱い(図I−10)。一方、団塊世代を含む50歳代後半や60歳以上層では、健康・安全志向や国産志向が若年層に比べ強くなっている。</p> <p>   今後、人口減少局面に入りつつあるなかで、我が国の食料需要総量についても長期的には伸び悩み、もしくは減少が見込まれるが、団塊世代の高齢世代への移行も踏まえれば、我が国の食料消費の動向に与える高齢世代の影響力はさらに強まっていくものとみられる。このため、我が国の国内農業生産や食料産業においては、これらの品目ごとの消費の特徴や食に対する志向等を的確に捉え、積極的に需要を発掘・創出していく重要性が高まっている。</p> <p>*1 総務省「人口推計」(17年10月1日現在、概算値)</p> <p> *2 その年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に産むとしたときの子どもの数に相当する。</p> <p> *3 厚生労働省「人口動態統計」</p> <p> *4 *3に同じ。</p> <p> *5 総務省「国勢調査」(17年12月公表)</p> <p> *6 世帯における食料消費支出は、世帯員数の多寡や仕事の有無による生活様式の違いに加え、それぞれの世帯主の平均年齢の違いからくる子どもの消費水準による影響も考慮する必要があるが、統計上の制約から、ここでは捨象して分析している。<br/></p> <p><em>(年齢・収入階層別の食料消費の差異)</em></p> <p>  食料消費支出は年齢階層による違いがみられるが、一方で、収入の水準によっても影響を受けている。</p> <p>  世帯主の年齢・収入階層別に世帯員1人当たり食料消費支出をみると、各年齢階層とも総じて収入階層が高いほど支出が大きくなる傾向がみられる(図I−11)。また、各年齢階層ごとの特徴をみると、例えば、30歳未満層では、1,000〜1,250万円層が200〜300万円層の約2倍の高い支出水準となるなど同一年齢層でも収入間格差が大きい。これに対して、30歳以上層から69歳以下層までの間は、年齢階層区分が上がるにつれて格差が小さくなっている。また、60歳以上層では他の年齢階層に比べ支出水準が高くなっているなど、高齢層の食料消費支出の堅調さがうかがわれる。</p> <p>   次に、家計における食料消費の位置付けをエンゲル係数(家計費に占める飲食費の割合)によってみてみる。一般的に、食料は日常の生活に欠かすことのできない必需品としての性格が強いことから、家計費の高い世帯ほどエンゲル係数が低いことが知られている。しかし、既にみてきたように、年齢階層や収入階層の違いによって食料消費に違いがあることから、エンゲル係数も違いがみられる(図I−12)。例えば、500万円以下の階層では、70歳以上層のエンゲル係数が高く、かつ、30歳未満層との格差が大きい。また、30歳未満層は、ほぼすべての収入階層で最も低くなっているが、30歳未満層や70歳以上層の800〜1,500万円層では逆にエンゲル係数が上昇するなどの特徴もみられる。</p> <p>   このように、家計における食料消費の位置付けは、年齢階層や収入階層の違いによって異なっている。例えば、30歳未満層のエンゲル係数の低さには、持ち家率の低さに伴う住居支出の高さや携帯電話等の通信支出の高さ等も影響していると考えられる。食料品は、かつては必需品としての性格が強かったが、今日では個々の消費者ごとに必需品的な性格から選択・し好品的な性格まで、位置付けが異なってきていることが考えられる。</p> <p><em>(世帯構成や就業形態の違いも食料消費に影響)</em></p> <p>   食料消費の動向は、年齢階層や収入階層以外にも、世帯構成や就業形態の違いによっても影響を受けている。1世帯当たりの食料消費支出の類別の割合の特徴をみてみると、単身勤労者世帯では外食の割合が高いが、家のなかでの調理が必要な魚介類や肉類等は低い(図I−13)。これは、調理を行う時間的な余裕の少なさ、勤労者としての調理の機会費用の高さ、単身者として少量の調理を行うことの相対的なコスト高等が影響していると考えられる。</p> <p>   また、一般世帯(世帯主のみ有業者である2人以上の核家族世帯)と共働き世帯(核家族世帯)との間では、大きな違いはみられないが、高齢者が主体の無職世帯(2人以上世帯)では、魚介類、野菜・海藻、果物の割合が高くなっている。さらに、1世帯当たりの支出は、共働き世帯が最も多いが、高齢者が主体の無職世帯でも一般世帯の9割の高水準にある。</p> <p>   今後は、単身世帯や共働き世帯が増加する一方で、団塊世代の大量の定年退職により無職高齢世帯が増加する可能性もあり、これら世帯構成や就業形態の違いも食料消費に大きな影響を与えるものとみられる。</p> <p><em>(少子高齢化・人口減少局面のもとでの食料消費に影響を及ぼす要因)</em></p> <p>   これまでみてきたように、年齢階層の違いが食料消費にもたらす影響は強まるとみられるが、その一方で、収入階層、世帯構成や就業形態などの属性ごとに異なる動きもみられる。このため、例えば、年齢など一つの属性のみに着目して消費行動を捉えることは難しくなっていると考えられる。このような情勢を踏まえると、様々な属性をあわせもつ多様な消費者の特徴や志向、ニーズ等を明らかにし、きめ細かく、丁寧に対応していくことが、今後の食料消費に対応した生産や流通、販売のあり方を考えるうえでますます重要となってくる。</p> <p>   例えば、最近では、「生鮮コンビニ」と呼ばれる店舗の急速な広がりが注目されている。これらの店舗は、営業時間の長さに加えて、生鮮食品の販売単位を小分け、少量化することで実現した100円程度の安い単価の設定が、少人数世帯や少量買いのニーズに合致し、若者から高齢者まで幅広い世代で評価されている。さらに、例えば、高齢単身世帯という属性に着目した場合には、ばら売りや小袋包装等の少量販売に加え、薄めの味付けや生活習慣病の予防に配慮した食品の提供、食事や食品の宅配サービス、高齢者も含めて誰にでもわかる食品の表示、使いやすく開封しやすい食品の包装等のニーズが高まることが考えられる。今後は、こうした食品の様々な付加価値や利便性の向上を図る取組が、食料消費にかかわる需要の発掘・創出� ��観点からも重要性を増してくるとみられる。</p> <p>   また、消費者の食に対する志向は、一層多様化しており、最近では価格や鮮度、おいしさ以外にも、安全性や健康の増進への関心が高まりつつある。このような情勢を踏まえると、今後は、病気を未然に防ぎ、健康の増進等を図る予防医学の見地からも、食生活や食品の選択のあり方を考える重要性が高まっている。</p> <p><em>コラム みんなで食べる楽しい共食</em></p> <p> 食事には、必要な熱量や栄養素を補給するだけでなく、様々な役割があります。誰かと一緒に食事を楽しむことを「共食」といいますが、共食は人と人とのコミュニケーションを円滑にし、心身の健康の増進につながるとされています。特に、今後10年以内には、65歳以上の単身世帯が全世帯の10%を超すと予測されるなか※1、1人で食事をする「孤食」となる高齢者がふえることが予想されます。このような状況から、地域のお年寄りが集まって気軽に共食を楽しむ場として、外食に着目した取組も始められています。</p> <p>   1人暮らしのお年寄りにとっては、このような場は、楽しく食事をすることによる心身の健康、おしゃべりや気分の転換につながり、日々の生活に張り合いや活気を与えることにも役立つと考えられます。また、このような場は、お年寄りだけでなく、日常生活で様々なハンディキャップをかかえて、お互いに集う場をもちにくい人たちにとっても貴重な場となることが考えられます。</p> <p>   今後は、少しでも多くの人が集えるように、店舗のバリアフリー化、量や味付け等のメニュー面での配慮等が行われることが期待されます。</p> <p>   このように、少子高齢化は、これまでの大量流通や大量消費等によって支えられてきた経済社会をもう一度見直し、新たな可能性や対応のあり方を見出す大きな契機となるものです。写真1</p> <p>※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」<br/></p> <p class="style1">イ 食生活の現状</p> <p><em> (食と健康・医療とのかかわり)</em></p> <p>   我が国は、高齢化が進展するなかで世界一の長寿国となっており、今後も平均寿命は伸びると予測されている。しかしながら、世界保健機関(WHO)の試算によると、健康で生活できる期間である健康寿命は平均寿命に比べ、男性で6.0歳、女性で7.5歳短く(14年)、健康寿命を平均寿命に近づけていくことが課題となっている*1。</p> <p>   また、我が国は、高齢化の進展等に伴い国民医療費が増加を続けており、その伸びは国民所得の伸びを上回っている(図I−14)。このうち、生活習慣病の医療費は10兆2千億円で、国民医療費の3割に達している(15年)。また、生活習慣病の1つである糖尿病の有病者数(14年)は、5年前の9年に比べ2割増加しており、死亡者の死因でも生活習慣病が6割を占めている。</p> <p>   食は、国民が健康で充実した生活を送るうえで基本となるものである。また、食生活は生活習慣病とも深いかかわりがあるといわれている。このように、食生活のあり方は、健康の保持や今日的な医療の問題とも結び付いており、国民生活にとって身近で、かつ、きわめて重要な事柄である。</p> <p>*1 世界保健機関「World Health Report」(2002年)。健康寿命とは、認知症もしくは寝たきりにならない状態で生活できる期間をいう。</p> <p><em>(栄養のかたよりや食習慣の乱れと子ども達にまで広がるやせ志向)</em></p> <p>   我が国の食生活は、摂取する品目や形態、ライフスタイルの変化等に伴い、大きく変化してきている。そのなかで、栄養のかたよりや食習慣の乱れ、過度のやせ志向、食を選択するための知識の不足、食事を大切にする心や特色ある優れた食文化の喪失等の様々な問題が生じている。</p> <p>   年齢別に栄養素別の摂取熱量比率をみると、20〜30歳代の男性と、20〜40歳代の女性で脂肪からの摂取が適正比率(25%)を超えている(図I−15)。また、体型については、30〜60歳代の男性の3割が肥満である一方、20歳代の女性の2割が低体重(やせ)となっている。若い女性に着目すると、摂取エネルギーが低く、カルシウムや鉄等のミネラルも不足傾向であることに加えて、過度のやせ等も一部で問題となっている。さらに、低体重は子どもにまで広がりをみせている。7年度におけるやせすぎの児童の割合を20年前と比べると、11歳男子では1.3%から4.0%へ、女子では1.7%から2.9%へ増加している*1。また、小学生女子の7割が見た目がいいという理由から、今よりやせたいと考えているうえ、自分を太っていると思っている子どもは� ��男子で4割、女子で5割に達している*2。小中学生の時期を含め、若年期は体の基礎をつくる大切な期間であることから、この時期の摂取エネルギーの不足は身長が伸びなくなるなどの影響をもたらし、さらに栄養素の不足は将来、骨粗鬆症になるリスクを高めるなど、生涯にわたって心身の健康に影響を及ぼすおそれがある。</p> <p>*1 文部科学省「学校保健統計調査」。性別・年齢別に求められた身長別平均体重の80%以下の者が痩身傾向児と位置付けられている。</p> <p> *2 ベネッセ教育研究開発センター「モノグラフ・小学生ナウ」(13年11月公表)。東京都及び埼玉県の小学4〜6年生1,097名を対象として実施したアンケート調査。</p> <p><em>(中壮年世代にまで広がる欠食)</em></p> <p>   厚生労働省「国民栄養・健康調査」によると、男性の朝食欠食率は20歳代で最も高いが、近年ではほぼ横ばいの状況にある(図I−16)。一方、30歳代ではほぼ一貫して増加傾向にあり、20歳代との差は縮小している。また、40歳代や50歳代の欠食率は若年層に比べると低いものの、増加傾向にあり、欠食の広がりがみられる。一方、女性の欠食率についてみると、全般的に男性よりは低いものの、15年においては15〜19歳で男性を上回っており、20歳代に次いで高水準となっている。また、近年では、若い女性を中心として、欠食率の伸びが大きい。</p> <p>   一般的に、10歳代後半から20歳代にかけては、進学や就職に伴い、1人暮らしをする割合が高くなり、自ら調理をする機会がふえてくる。しかしながら、実際には、調理の技術や知識の不足、1人分の食事を調理することの割高感や時間の不足等から、家で調理してきちんと食事をとることが難しくなっているとみられる。また、過度のやせ志向や食事の重要性に対する意識の低下等も欠食の広がりの一因となっているとみられる。</p>