2012年5月15日火曜日


</head><body id="readabilityBody" > <p class="style1">第2節 食生活の現状と食料自給率向上の取組</p> <p>  我が国は、高度経済成長期を中心とした所得の向上や人口の増加等を背景として、食料需要の増大と食生活の高度化・多様化が進行し、今日では飽食ともいうべき食の豊かさを享受している。しかしながら、その一方で、国民の健康増進と深いかかわりがある食生活の乱れ、食料の生産から消費に至るフードシステム*1の改革の遅れ、食料自給率の低下等の問題が生じている。また、食料消費の動きとかかわりが深い経済社会の最近の動きをみると、我が国は、人口減少局面に入りつつあり、戦後生まれのベビーブーム世代(団塊世代*2)の大量の定年退職と高齢世代への移行を間近に控えるなど、本格化する少子高齢社会への対応が大きな課題となっている。</p> <p>   このような状況を踏まえ、本節では、食料消費や食生活について、少子高齢化の観点も踏まえて現状を整理するとともに、食料産業や農産物輸入の動向の分析を踏まえて、食育、地産地消、食料自給率の向上の取組の現状と課題について明らかにする。 </p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p> *2 昭和22〜24年生まれの世代で、16年10月1日現在、676万人と推計される。第二次世界大戦直後に生まれた出生数が突出して大きいこの人口グループは堺屋太一氏によって「団塊の世代」と呼称された。</p> <p><span class="style1">(1)食生活の現状と食育の推進</span></p> <p class="style1"> ア 食料消費の動向</p> <p> <em>(最近の景気回復基調のもとで食料消費はわずかに増加)</em></p> <p>  我が国の経済は、平成10年以降続いていたデフレ傾向を脱却しつつあり、最近の原油価格の高騰が内外経済に与える影響が一部で顕在化しているものの、景気は17年も引き続き緩やかに回復した。17年度(4〜12月)の世帯員1人当たり実質消費支出は、前年同期に比べ0.9%増と2年連続で増加しており、個人消費も緩やかに回復している(表I−4 ダウンロード)。</p> <p>   17年度(4〜12月)の食料消費についてみると、食料品の消費者物価指数は前年同期に比べ1.3ポイント低下したが、世帯員1人当たり実質食料消費支出は、1.4%増と3年ぶりに増加に転じた。品目別にみると、野菜・海藻、調理食品、果物をはじめ、ほぼ全品目において増加傾向に転じるなか、パンのみが前年に比べ減少した。</p> <p><em>(少子高齢化のもとで食料消費市場での高齢層の影響力は強まる可能性)</em></p> <p>   食料消費の動向は、所得や食料品価格等以外にも、年齢階層や出生年代の違い、さらには、人口構造の変化等によっても影響を受けると考えられる。</p> <p>   我が国の人口構造の特徴をみると、高齢化率は、17年には20%まで上昇する一方*1、合計特殊出生率*2も16年には1.29まで低下するなど*3、少子高齢化が本格化している。また、17年には初めて死亡数が出生数を上回る自然減が確認されるなど*4、人口は減少局面に入りつつある*5。さらに、人口の年齢構成上のピークを形成し、これまで経済社会の中核を担ってきた団塊世代が定年退職の年齢に達し、今後、高齢世代に移行するなど、我が国の人口構造は大きな転換期を迎えている。</p> <p>   以下では、年齢や出生年代の違いが食料消費に与えている影響について分析する。</p> <p>   まず、我が国の人口に占める中高年層の割合の高まり等を背景として、16年の我が国全体の食料消費支出の過半が団塊世代を含む55歳以上層で占められている。また、これら55歳以上層の割合は昭和59年から24ポイント上昇しており、その影響力は強まっている(図I−8)。</p> <p>   次に、現在の中高年世代の1人当たり実質消費支出について、世帯主の年齢間の差とこれらの世代の経年的な変化に着目して、その特徴を整理する。</p> <p>   平成17年の傾向を世帯主の年齢別にみると、いずれの品目も高齢層の消費支出が多いが、年齢間の差は、魚介類及び野菜・海藻で大きく、肉類及び調理食品では小さいという特徴がみられる(図I−9)。</p> <p>   また、現在の55〜69歳層に着目して、これら世代の年齢の上昇による変化をみると、調理食品は一貫して増加し、魚介類及び野菜・海藻も昭和55年(当時30〜44歳)以降、増加傾向を示しているが、肉類は平成2年(当時40〜54歳)以降減少傾向にある。</p> <p>   このように、年齢階層別の消費水準の違いや加齢による消費動向の変化は、品目ごとに異なっているが、各品目とも高齢層の消費支出が高い水準にあることは共通している*6。</p> <p>   さらに、年齢階層別の食に対する志向をみると、若年層では経済性や美食の志向が強いが、国産志向は弱い(図I−10)。一方、団塊世代を含む50歳代後半や60歳以上層では、健康・安全志向や国産志向が若年層に比べ強くなっている。</p> <p>   今後、人口減少局面に入りつつあるなかで、我が国の食料需要総量についても長期的には伸び悩み、もしくは減少が見込まれるが、団塊世代の高齢世代への移行も踏まえれば、我が国の食料消費の動向に与える高齢世代の影響力はさらに強まっていくものとみられる。このため、我が国の国内農業生産や食料産業においては、これらの品目ごとの消費の特徴や食に対する志向等を的確に捉え、積極的に需要を発掘・創出していく重要性が高まっている。</p> <p>*1 総務省「人口推計」(17年10月1日現在、概算値)</p> <p> *2 その年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に産むとしたときの子どもの数に相当する。</p> <p> *3 厚生労働省「人口動態統計」</p> <p> *4 *3に同じ。</p> <p> *5 総務省「国勢調査」(17年12月公表)</p> <p> *6 世帯における食料消費支出は、世帯員数の多寡や仕事の有無による生活様式の違いに加え、それぞれの世帯主の平均年齢の違いからくる子どもの消費水準による影響も考慮する必要があるが、統計上の制約から、ここでは捨象して分析している。<br/></p> <p><em>(年齢・収入階層別の食料消費の差異)</em></p> <p>  食料消費支出は年齢階層による違いがみられるが、一方で、収入の水準によっても影響を受けている。</p> <p>  世帯主の年齢・収入階層別に世帯員1人当たり食料消費支出をみると、各年齢階層とも総じて収入階層が高いほど支出が大きくなる傾向がみられる(図I−11)。また、各年齢階層ごとの特徴をみると、例えば、30歳未満層では、1,000〜1,250万円層が200〜300万円層の約2倍の高い支出水準となるなど同一年齢層でも収入間格差が大きい。これに対して、30歳以上層から69歳以下層までの間は、年齢階層区分が上がるにつれて格差が小さくなっている。また、60歳以上層では他の年齢階層に比べ支出水準が高くなっているなど、高齢層の食料消費支出の堅調さがうかがわれる。</p> <p>   次に、家計における食料消費の位置付けをエンゲル係数(家計費に占める飲食費の割合)によってみてみる。一般的に、食料は日常の生活に欠かすことのできない必需品としての性格が強いことから、家計費の高い世帯ほどエンゲル係数が低いことが知られている。しかし、既にみてきたように、年齢階層や収入階層の違いによって食料消費に違いがあることから、エンゲル係数も違いがみられる(図I−12)。例えば、500万円以下の階層では、70歳以上層のエンゲル係数が高く、かつ、30歳未満層との格差が大きい。また、30歳未満層は、ほぼすべての収入階層で最も低くなっているが、30歳未満層や70歳以上層の800〜1,500万円層では逆にエンゲル係数が上昇するなどの特徴もみられる。</p> <p>   このように、家計における食料消費の位置付けは、年齢階層や収入階層の違いによって異なっている。例えば、30歳未満層のエンゲル係数の低さには、持ち家率の低さに伴う住居支出の高さや携帯電話等の通信支出の高さ等も影響していると考えられる。食料品は、かつては必需品としての性格が強かったが、今日では個々の消費者ごとに必需品的な性格から選択・し好品的な性格まで、位置付けが異なってきていることが考えられる。</p> <p><em>(世帯構成や就業形態の違いも食料消費に影響)</em></p> <p>   食料消費の動向は、年齢階層や収入階層以外にも、世帯構成や就業形態の違いによっても影響を受けている。1世帯当たりの食料消費支出の類別の割合の特徴をみてみると、単身勤労者世帯では外食の割合が高いが、家のなかでの調理が必要な魚介類や肉類等は低い(図I−13)。これは、調理を行う時間的な余裕の少なさ、勤労者としての調理の機会費用の高さ、単身者として少量の調理を行うことの相対的なコスト高等が影響していると考えられる。</p> <p>   また、一般世帯(世帯主のみ有業者である2人以上の核家族世帯)と共働き世帯(核家族世帯)との間では、大きな違いはみられないが、高齢者が主体の無職世帯(2人以上世帯)では、魚介類、野菜・海藻、果物の割合が高くなっている。さらに、1世帯当たりの支出は、共働き世帯が最も多いが、高齢者が主体の無職世帯でも一般世帯の9割の高水準にある。</p> <p>   今後は、単身世帯や共働き世帯が増加する一方で、団塊世代の大量の定年退職により無職高齢世帯が増加する可能性もあり、これら世帯構成や就業形態の違いも食料消費に大きな影響を与えるものとみられる。</p> <p><em>(少子高齢化・人口減少局面のもとでの食料消費に影響を及ぼす要因)</em></p> <p>   これまでみてきたように、年齢階層の違いが食料消費にもたらす影響は強まるとみられるが、その一方で、収入階層、世帯構成や就業形態などの属性ごとに異なる動きもみられる。このため、例えば、年齢など一つの属性のみに着目して消費行動を捉えることは難しくなっていると考えられる。このような情勢を踏まえると、様々な属性をあわせもつ多様な消費者の特徴や志向、ニーズ等を明らかにし、きめ細かく、丁寧に対応していくことが、今後の食料消費に対応した生産や流通、販売のあり方を考えるうえでますます重要となってくる。</p> <p>   例えば、最近では、「生鮮コンビニ」と呼ばれる店舗の急速な広がりが注目されている。これらの店舗は、営業時間の長さに加えて、生鮮食品の販売単位を小分け、少量化することで実現した100円程度の安い単価の設定が、少人数世帯や少量買いのニーズに合致し、若者から高齢者まで幅広い世代で評価されている。さらに、例えば、高齢単身世帯という属性に着目した場合には、ばら売りや小袋包装等の少量販売に加え、薄めの味付けや生活習慣病の予防に配慮した食品の提供、食事や食品の宅配サービス、高齢者も含めて誰にでもわかる食品の表示、使いやすく開封しやすい食品の包装等のニーズが高まることが考えられる。今後は、こうした食品の様々な付加価値や利便性の向上を図る取組が、食料消費にかかわる需要の発掘・創出� ��観点からも重要性を増してくるとみられる。</p> <p>   また、消費者の食に対する志向は、一層多様化しており、最近では価格や鮮度、おいしさ以外にも、安全性や健康の増進への関心が高まりつつある。このような情勢を踏まえると、今後は、病気を未然に防ぎ、健康の増進等を図る予防医学の見地からも、食生活や食品の選択のあり方を考える重要性が高まっている。</p> <p><em>コラム みんなで食べる楽しい共食</em></p> <p> 食事には、必要な熱量や栄養素を補給するだけでなく、様々な役割があります。誰かと一緒に食事を楽しむことを「共食」といいますが、共食は人と人とのコミュニケーションを円滑にし、心身の健康の増進につながるとされています。特に、今後10年以内には、65歳以上の単身世帯が全世帯の10%を超すと予測されるなか※1、1人で食事をする「孤食」となる高齢者がふえることが予想されます。このような状況から、地域のお年寄りが集まって気軽に共食を楽しむ場として、外食に着目した取組も始められています。</p> <p>   1人暮らしのお年寄りにとっては、このような場は、楽しく食事をすることによる心身の健康、おしゃべりや気分の転換につながり、日々の生活に張り合いや活気を与えることにも役立つと考えられます。また、このような場は、お年寄りだけでなく、日常生活で様々なハンディキャップをかかえて、お互いに集う場をもちにくい人たちにとっても貴重な場となることが考えられます。</p> <p>   今後は、少しでも多くの人が集えるように、店舗のバリアフリー化、量や味付け等のメニュー面での配慮等が行われることが期待されます。</p> <p>   このように、少子高齢化は、これまでの大量流通や大量消費等によって支えられてきた経済社会をもう一度見直し、新たな可能性や対応のあり方を見出す大きな契機となるものです。写真1</p> <p>※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」<br/></p> <p class="style1">イ 食生活の現状</p> <p><em> (食と健康・医療とのかかわり)</em></p> <p>   我が国は、高齢化が進展するなかで世界一の長寿国となっており、今後も平均寿命は伸びると予測されている。しかしながら、世界保健機関(WHO)の試算によると、健康で生活できる期間である健康寿命は平均寿命に比べ、男性で6.0歳、女性で7.5歳短く(14年)、健康寿命を平均寿命に近づけていくことが課題となっている*1。</p> <p>   また、我が国は、高齢化の進展等に伴い国民医療費が増加を続けており、その伸びは国民所得の伸びを上回っている(図I−14)。このうち、生活習慣病の医療費は10兆2千億円で、国民医療費の3割に達している(15年)。また、生活習慣病の1つである糖尿病の有病者数(14年)は、5年前の9年に比べ2割増加しており、死亡者の死因でも生活習慣病が6割を占めている。</p> <p>   食は、国民が健康で充実した生活を送るうえで基本となるものである。また、食生活は生活習慣病とも深いかかわりがあるといわれている。このように、食生活のあり方は、健康の保持や今日的な医療の問題とも結び付いており、国民生活にとって身近で、かつ、きわめて重要な事柄である。</p> <p>*1 世界保健機関「World Health Report」(2002年)。健康寿命とは、認知症もしくは寝たきりにならない状態で生活できる期間をいう。</p> <p><em>(栄養のかたよりや食習慣の乱れと子ども達にまで広がるやせ志向)</em></p> <p>   我が国の食生活は、摂取する品目や形態、ライフスタイルの変化等に伴い、大きく変化してきている。そのなかで、栄養のかたよりや食習慣の乱れ、過度のやせ志向、食を選択するための知識の不足、食事を大切にする心や特色ある優れた食文化の喪失等の様々な問題が生じている。</p> <p>   年齢別に栄養素別の摂取熱量比率をみると、20〜30歳代の男性と、20〜40歳代の女性で脂肪からの摂取が適正比率(25%)を超えている(図I−15)。また、体型については、30〜60歳代の男性の3割が肥満である一方、20歳代の女性の2割が低体重(やせ)となっている。若い女性に着目すると、摂取エネルギーが低く、カルシウムや鉄等のミネラルも不足傾向であることに加えて、過度のやせ等も一部で問題となっている。さらに、低体重は子どもにまで広がりをみせている。7年度におけるやせすぎの児童の割合を20年前と比べると、11歳男子では1.3%から4.0%へ、女子では1.7%から2.9%へ増加している*1。また、小学生女子の7割が見た目がいいという理由から、今よりやせたいと考えているうえ、自分を太っていると思っている子どもは� ��男子で4割、女子で5割に達している*2。小中学生の時期を含め、若年期は体の基礎をつくる大切な期間であることから、この時期の摂取エネルギーの不足は身長が伸びなくなるなどの影響をもたらし、さらに栄養素の不足は将来、骨粗鬆症になるリスクを高めるなど、生涯にわたって心身の健康に影響を及ぼすおそれがある。</p> <p>*1 文部科学省「学校保健統計調査」。性別・年齢別に求められた身長別平均体重の80%以下の者が痩身傾向児と位置付けられている。</p> <p> *2 ベネッセ教育研究開発センター「モノグラフ・小学生ナウ」(13年11月公表)。東京都及び埼玉県の小学4〜6年生1,097名を対象として実施したアンケート調査。</p> <p><em>(中壮年世代にまで広がる欠食)</em></p> <p>   厚生労働省「国民栄養・健康調査」によると、男性の朝食欠食率は20歳代で最も高いが、近年ではほぼ横ばいの状況にある(図I−16)。一方、30歳代ではほぼ一貫して増加傾向にあり、20歳代との差は縮小している。また、40歳代や50歳代の欠食率は若年層に比べると低いものの、増加傾向にあり、欠食の広がりがみられる。一方、女性の欠食率についてみると、全般的に男性よりは低いものの、15年においては15〜19歳で男性を上回っており、20歳代に次いで高水準となっている。また、近年では、若い女性を中心として、欠食率の伸びが大きい。</p> <p>   一般的に、10歳代後半から20歳代にかけては、進学や就職に伴い、1人暮らしをする割合が高くなり、自ら調理をする機会がふえてくる。しかしながら、実際には、調理の技術や知識の不足、1人分の食事を調理することの割高感や時間の不足等から、家で調理してきちんと食事をとることが難しくなっているとみられる。また、過度のやせ志向や食事の重要性に対する意識の低下等も欠食の広がりの一因となっているとみられる。</p><a name='more'></a><style>.hi1,.hi2,.hi3 {-webkit-border-radius:4px;-moz-border-radius:4px;border-radius:4px;float:right;} .hi1 {display:inline;float:right;background-repeat:no-repeat;margin:10px;top:0px;background-image:url('cid:gim1')} .hi2 {border:10px solid white;display:block;float:left;background-repeat:no-repeat;margin:0px;top:10px;background-image:url('cid:aims1')} .li4 {width:200px;display:block;float:left;border:1px solid #DDD;margin:5px;padding:8px;}</style><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"></span><span><blockquote style="float: none; padding: 3px 15px; border: thin solid rgb(224, 224, 224);"><a href="http://lambofnakoj.blogspot.com/">なぜ私たちの日常生活の中で重要な数学の和は何ですか?</a></blockquote> <p>   しかしながら、朝食は、寝ている間に低下した体温を上げる作用があり、1日の活動を開始するうえで必要となるエネルギーを補給する役割を担っている。また、朝食をとらないと、脳のエネルギー源であるぶどう糖が不足して、昼食をとるまでの間はやる気や集中力に欠けることになるという指摘もある。このため、このような朝食の重要性に対する理解を促し、欠食を減らしていくことが重要となっている。</p> <p><em>(栄養補助食品等の摂取の増加)</em></p> <p>   欠食が問題となる一方で、栄養補助食品等の摂取は増加している。世帯員1人当たりの健康保持用摂取品の実質消費支出をみると、7年から17年の間に約3倍に増加しており、特に50歳代以上での伸びが著しい*1。年齢階層別にみると、年齢が上がるにつれて支出が多くなり、70歳以上の支出は29歳以下の9.5倍となっている(17年)。また、特定保健用食品*2の市場規模は9年度の1,315億円から17年度の6,299億円へと急激に拡大している*3。さらに、働く若い独身女性の間でも、食について最も気を付けていることは「サプリメントによる栄養補給」となっており、若い世代でのサプリメント志向の強さもうかがわれる*4。このように世代を超えた栄養補助食品等の需要の高まりは、現代の人々の健康状態に対する不安や食事の摂取上の 問題点を反映しているという側面もあるのではないかと考えられる。</p> <p>   しかしながら、健全な食生活を送るうえで重要なことは、自らの食生活を見直し、バランスのとれた望ましい食生活を心がけることであり、これを基本としたうえで、これら栄養補助食品等を適切に利用していくことが重要である。</p> <p>*1 総務省「家計調査」及び「消費者物価指数」に基づき、家計調査(2人以上の世帯(農林漁家世帯を除く))の世帯員1人当たり年間支出金額を、「消費者物価指数」で実質化して求めた。</p> <p> *2 [用語の解説]を参照。</p> <p> *3 (財)日本健康・栄養食品協会調べ。</p> <p> *4 (株)リクルート ケイコとマナブ調べ(16年12月公表)。全国の20〜34歳の働く未婚女性を対象として実施したインターネット調査(回答総数309)。</p> <p><em>(飽食ともいうべき食生活のなかで食品ロスが発生)</em></p> <p>   我が国は、飽食ともいうべき豊かな食生活を享受するなかで、鮮度の保持等に対する必要以上の強いこだわり、これらに対応した食品産業における廃棄や売れ残りを前提とした仕入れ等の影響もあり、食品の廃棄や食べ残し等の、いわゆる食品ロスの大量発生が問題となっている。このうち、世帯における食品ロス率を世帯員構成別にみると、2人世帯では最も高く4.7%であるが、3人以上世帯では4.0%、高齢者がいる3人以上世帯も4.3%となっている*1。</p> <p>   また、学校給食での食べ残し(残食率)をみると、最も食べ残しの多い料理の一つである「炒めもの」では小学校で6.7%、中学校では11.3%となっている*2。</p> <p>   さらに、食品の製造、流通、販売、消費等の各段階で発生する食品廃棄物は約2,200万トンに上ると推計されている*3。このような大量の食品ロスは、食料資源の有効利用、環境への負荷の低減、ひいては社会経済全体のコストの低減等の観点から問題であることから、これら各段階における取組や家庭をはじめとした国民の意識と購買行動の改善を進めていくことが重要である。</p> <p>*1 農林水産省「食品ロス統計調査」(16年度)</p> <p> *2 文部科学省「学校給食栄養報告」(16年度)。残食率とは、配食された食材の重量のうち、残った食材の重量の比率である。</p> <p> *3 環境省「日本の廃棄物処理」、「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書」、環境省調べ。<br/></p> <p><span class="style1">ウ 食育の推進</span></p> <p> <em>(食育基本法に基づく食育の推進)</em></p> <p>   これまでみてきたように、我が国の食生活は、栄養のかたよりや食習慣の乱れ、欠食の広がりや大量の食品ロス等、様々な問題をかかえている。このような状況のなか、食事の重要性に関する意識についてみると、男性に比べ女性の意識が高い一方、職業別にみると、会社員・公務員に比べ大学生等で意識が低い(表I−5 ダウンロード)。特に、男子大学生では、食事を最も重要なことと意識している割合は37.8%にとどまる一方、重要と意識していない割合は29.8%を占めている。このように、食事の重要性についての意識が一部で薄れているが、食事には、必要な熱量や栄養素を補給し毎日の活動の基礎となるだけでなく、おいしさを味わい、味覚を発達させること、家族や人々とのコミュニケーションを円滑にすることなど、様々な� ��割がある。また、忙しい毎日を送るなかで食の大切さが見失われ、食が自然の恩恵のうえに成り立っており、多くの食にかかわる人々の活動に支えられていることについて実感しにくくなっている。</p> <p>   こうした食生活をめぐる近年の環境の変化や食の重要性等を踏まえて、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむことができるよう、食育を推進することが喫緊の課題となっている。このため、食育基本法が17年6月に成立し、多様な関係者が連携・協力しながら、国民運動として食育を推進することとされた。また、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、食育推進基本計画が18年3月に策定され、食育の推進に関する施策の基本的な方針や食育の推進の目標に関する事項等が盛り込まれている。</p> <p>   今後は、国民が健全な食生活を実践できるよう、家庭、学校、地域等様々な分野において国民運動として食育を推進することとしており、その一環として食育推進基本計画に基づき、食生活改善のための活動の推進や子どもを中心とした農林漁業体験活動をはじめとする生産者と消費者の交流、食文化継承のための活動等の食育の取組について、様々な主体が参画して推進していく必要がある。特に、教育関係者は農林漁業者等関係者と相互に連携して食育を推進すること、農林漁業者は農林漁業に関する多様な体験活動の機会を提供すること、食品関連事業者等は、自らの事業活動に関して自主的かつ積極的に食育を推進することが求められている。その際には、食べるという行為が動植物の命を受け継ぐものであること、食生活が生産� ��など多くの人々によって支えられていることを実感し、食に対する感謝の念や理解が自然と深まるように配慮することなども重要である。</p> <p><em>(様々な段階での食育の一層の推進)</em></p> <p>   食育に関する国民の意識や取組についてみると、5割が食育という言葉を認識している*1。また、食生活の乱れ、生活習慣病の増加、子どもの心身の健全な発育等に対する問題意識から、7割が食育に関心を示している。しかしながら、仕事や趣味等で忙しい、食育自体についてよく知らないといった理由から、何らかの形で食育に取り組んでいる者は5割にとどまっている(図I−17)。</p> <p>  このような状況のなかで、市町村や学校、企業や地域グループ等が食育に取り組む動きが徐々に広がりつつある。</p> <p>  今後は、このような様々な主体による食育の取組を一層推進していくことが重要となっている。</p> <p>*1 内閣府「食育に関する特別世論調査」(17年9月公表)。図I−17の注釈参照。<br/></p> <p><em>事 例</em></p> <p><em> 様々な組織や企業が取り組み始めている食育</em></p> <p><em>(1)学校給食を活用した家庭や地域での食育の取組(熊本県上天草市) </em>図1</p> <p>   熊本県上天草市立上小学校は、豊かな自然に囲まれ、給食も地域の特産物を利用した献立とするなど、地域の特色を活かしつつ、学校教育を通じた食育に取り組んできた。さらに、平成16年には、学校教育とあわせて家庭においても食育が実践されることが重要であるとの問題意識のもと、PTAと学校栄養職員を主体とするグループが、学校給食を活用した独自の取組を始めている。同グループは、月1度、保護者が地区ごとに集まり、チェックシートで普段の自分たちの家庭の食生活を振り返り、問題点を探るとともに、学校給食の献立では、どのように工夫して栄養バランスを満たしているのかについて学習している。そのうえで、主食、主菜、副菜のバランスを考えながら、独自の給食の献立を作成し、その献立の提供される日に試食� �を学校で開く取組を進めながら、望ましい食事の献立の内容等について考える契機としている。</p> <p>   また、父親料理教室の開催、老人会の協力による伝統料理の給食への活用等、地域全体での食育を実践している。これらの取組を通じ、望ましい食生活への保護者の理解が進み、家庭で食育を進めるうえでの手助けとなるなどの効果が現れている。今後は、家庭と地域の連携を深め、地域に根ざした給食を一層実践していきたいと考えている。写真2 </p> <p><em>(2)給食会社が企業の社員食堂で取り組む食生活改善(東京都品川区) </em>図2</p> <p>   東京都のある企業の社員食堂では、その運営を任されている給食会社が、社員に食に関する正しい情報を提供するため、管理栄養士による栄養相談やパネルの展示等を行う取組を進めている。栄養相談では、管理栄養士が希望者を対象に個別に行う食生活診断の結果を踏まえてアドバイスを行っている。また、パネル展では、栄養関連の資料や食生活指針等を展示している。このほか、麺類のスープの塩分量をスプーンに載せて示したり、野菜の1日の目標摂取量を実際の野菜で展示するなど見やすくわかりやすい展示を心がけている。</p> <p>   これまでの取組の結果、昼食時に野菜や大豆製品等の副菜をとる人がふえたり、麺類のスープを残すなどの効果が現れている。今後は、知識の一般的な提供ではなく、一人ひとりに応じた適切なアドバイスを行うことによって、食生活の改善と自己管理を支援することが課題となっている。写真3  </p> <p><em>(3)卸売市場が取り組む食育(福岡県北九州市)</em></p> <p>   北九州市中央卸売市場協会では、13年から毎年「こども料理王選手権」を開催し、イベントを通じて、子ども達が楽しみながら食について学ぶための取組を行っている。同選手権では、小学生がチームを組んで調理する野菜料理と魚介料理が審査対象となるが、地場農産物の利用、安全で楽しい調理、むだ遣いや後片付けなどもあわせて審査される。子ども達は地元の旬の食材や産地を学ぶなかで、地場農産物や食品への関心を高めている。男子の参加割合もふえており、初めて包丁を握るきっかけともなっている。選手権は、年々、作品が豪華になっていることもあり、今後は、調理する楽しみや調理技術の基本の習得を重視した運営が課題となっている。写真4</p> <p><em>(栄養バランスが優れた「日本型食生活」の重要性)</em></p> <p>   昭和50年代半ば頃の我が国では、米を中心として、水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスに優れた「日本型食生活」が実現されていた。しかしながら、近年、米や野菜、果実等の消費が減少傾向で推移してきており、我が国のPFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)の供給熱量比率をみると、平成16年度には、炭水化物の摂取割合が過少、脂質が過多となっており、栄養バランスが崩れつつある。米は、魚料理や肉料理等、様々な料理ともあうことから、栄養バランスをとりやすいという特徴を有している。また、米は我が国の気候風土に適した作物であり、長らく日本人の伝統的な主食として親しまれてきた。このような観点から、米を中心として多様な副食から構成される「日本型食生活」の実践を促進することが 重要である。</p> <p><em>(「食事バランスガイド」等の活用を通じた「日本型食生活」の実践)</em></p> <p>   心身ともに健康で豊かな食生活の実現に向けて、12年に文部省、厚生省、農林水産省の3省により「食生活指針」が策定され、その普及・定着が図られてきた。しかしながら、その認知度は27.3%にとどまっており、十分な普及・定着が図られていない状況にあった*1。このため、「食生活指針」を具体的な食事の場で活かすことができるように、よりわかりやすく、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを示した「食事バランスガイド」が厚生労働省と農林水産省により、17年6月に策定された。</p> <p>   「食事バランスガイド」は、コマをイメージして描かれ、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の各料理区分ごとに1日にとる量の目安が料理で表されている。</p> <p>   「食事バランスガイド」の活用方法として、例えば、主食部分のイラストをすべてごはんに置き換えたイラストを用いて、ごはんを中心とした献立を米袋に掲載したり、地域でとれる農産物や郷土食を使った地域版「食事バランスガイド」の作成・普及を奨励するなどの取組も進められている。今後、「食生活指針」に加え、このような「食事バランスガイド」の活用も通じて、「日本型食生活」の実践を促進していくことが重要である(図I−18)。</p> <p>   さらに、都市部の児童・生徒等を対象とした稲作体験学習や学校における米飯給食の推進をはじめとして、ごはんを中心としたメニューや地域の農産物を使用した郷土食を普及する取組を推進することも重要である。</p> <p>   今後、「食事バランスガイド」が広く国民の間で知られ、活用されていくためには、家庭はもとより、スーパーマーケット(以下、「スーパー」という。)やコンビニエンスストア、外食等、消費者が食品を購入したり、食事をする場で活用されることが重要である。このため、マニュアルの策定等により、これら事業者の取組を推進することも重要である。</p> <p>*1 (財)食生活情報サービスセンター「食育・食生活指針に関する調査」(18年2月公表)。満20歳以上70歳未満の男女2,100人を対象として実施したアンケート調査(回収率87.3%)。</p> <p><em>(学校での栄養教諭制度の活用や地域の特色を活かした学校給食の取組)</em></p> <p>   このように食育の推進体制が整備されるなかで、17年度に、学校で子ども達に対する食に関する指導と、学校給食の管理を一体的に行う栄養教諭制度が創設された。</p> <p>   栄養教諭制度には、体験学習等で栽培した食材や地域の食材を学校給食に用いることで、子ども達に農業生産活動と日々の食事のつながりを実感させるなど、教育上の高い相乗効果が期待されている。栄養教諭の配置は、制度創設後間もないこともあり、一部の県にとどまっていることから、今後、その促進を図ることが重要である。また、地域の食材を活かした学校給食は、子ども達にとって生きた教材ともなるが、学校給食における地場産物の利用割合は横ばいの傾向が続いており、利用拡大に向けた取組の推進が課題となっている。健全な食生活の実現の観点からも、米を中心とした食事のより一層の普及を図るため、週3回という米飯給食の目標の実現に向けて、関係機関の連携のもと、地域の実情に即した重点的な普及活動を行� ��ていく必要がある。</p> <p class="style1">(2)地産地消の推進</p> <p><em> (地産地消への関心の高まり)</em></p> <p>   食生活は、国や地域ごとにその土地で生産された農産物等を独自の習慣や文化、伝統のなかで培われてきた方法により調理・加工し、消費するなかで歴史的に形成されてきている。</p> <p>   我が国の食生活は、高度経済成長期以降、全国的な交通網の発達、冷凍保冷技術や調理・加工技術の向上、農産物規格の整備等が進み、広域大量流通システムが確立されるなかで大きな変化を遂げてきた。その過程において、食と農の距離が拡大し、消費者からは農業生産や食品流通の実態がみえにくくなっており、このことが食に対する国民の不安を招く一因となっているとみられる。このような情勢のもと、食と農の距離を縮め、消費者と生産者の顔が見える関係づくりに関心が高まってきており、地産地消の取組が各地で広がりつつある。</p> <p>   このような動きは海外でもみられており、イタリアで始まった地域に根ざした食材や食文化を見直すスローフード運動は104か国*1に広がり、韓国では身土不二、米国ではCSA*2等の運動が進められている(表I−6)。</p> <p>   また、食料の生産地から食卓までの輸送距離に着目し、できるだけ身近で生産された食料を食べることにより輸送に伴う環境への負荷を少なくすることをねらいとして「フード・マイルズ」の概念が提唱され、この概念に基づく運動がヨーロッパの消費者団体、環境団体を中心に展開されている。</p> <p>*1 ニッポン東京スローフード協会調べ(15年10月現在)。</p> <p> *2 CSA:Community Supported Agriculture(地域が支える農業)</p> <p><em>(様々な効果が期待される地産地消)</em></p> <p>   新たな「食料・農業・農村基本計画」(以下、「基本計画」という。)においては、地産地消は、地域で生産されたものをその地域で消費する取組にとどまらず、消費者と生産者の「顔が見え、話ができる」関係づくりを通じて、消費者ニーズに即応した農業生産と消費を結び付ける取組とされている。</p><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"></span><span><blockquote style="float: none; padding: 3px 15px; border: thin solid rgb(224, 224, 224);"><a href="http://jessiechimenee.blogspot.com/">私は大学クイズで何コースを取るべきである</a></blockquote> <p>   その場合、消費者と生産者の物理的な距離が短いほど、両者の心理的な距離も縮まり、消費者の地場農産物に対する愛着心や安心感が高まるとともに、地場農産物としてアピールする商品力の強化や輸送に伴う環境への負荷の低減にもつながる。さらに、これらの効果が地場農産物の消費拡大に結び付き、ひいては地域農業の活性化や農業者の営農意欲の向上につながることが期待される。</p> <p>   このように、地産地消はできるだけ消費者と生産者が身近な範囲で取り組むことが望ましいが、今日の農産物の広域的な生産や流通、消費の実態等を踏まえると、距離の長短に関係なく、「顔が見え、話ができる」関係づくりを通じたコミュニケーションを伴う農産物の行き来を地産地消と捉える視点も重要である。</p> <p><em>(多様な形態で広がりをみせる地産地消)</em></p> <p>   地産地消の取組は、地場農産物の直売所や量販店での販売、農産加工場や学校給食、外食産業での利用のほか、消費者と生産者の交流活動等、消費地と産地の距離やコミュニケーションの程度の違いに応じて多様な形態で進展している(図I−19)。</p> <p> このうち、産地直売所、農産加工場における地場農産物(市町村内、隣接市町村で栽培された農産物)の利用実態をみると、取扱額に占める割合はそれぞれ63.8%、79.5%となっている*1。また、学校給食用食材に地場農産物を恒常的に使用している小・中学校の割合は76.6%となっている。さらに、3年後の地場農産物の取扱量の意向については、産地直売所、農産加工場、学校給食とも「ふやしたい」とする割合が高く、それぞれ80.5%、66.7%、76.4%となっており、地場農産物に対する利用意向の高さがうかがわれる。</p> <p>   一方、課題をみると、「数量や品目数の確保」、「年間を通じた原料の安定的な確保」、「量がそろわない」などがあげられており、豊富な種類の地場農産物をいかに安定的に確保・供給していくかが課題となっている(図I−20)。</p> <p>   このようななかで、地域では創意・工夫を活かした様々な取組が進められている。例えば、地産地消レストラン認定制度により、飲食店が地場農産物の消費拡大を図る取組や、農家自らが直売所での地場農産物の販売とあわせてオンラインショップを開設し、インターネットを通じて生産者の顔写真や栽培履歴を公表することで、消費者との顔の見える関係を築く取組もみられる。</p> <p>*1 農林水産省「平成16年度農産物地産地消等実態調査」(17年5月公表)。図I−20の注釈参照。</p> <p><em>事 例</em></p> <p><em> 各地で広がりつつある地産地消の取組</em></p> <p><em> (1)認定制度による地産地消レストランの推進(岩手県)</em></p> <p>   岩手県では、民間が主体となって創意・工夫を凝らした地産地消の取組として、平成16年度から地産地消レストラン認定制度が開始されている。</p> <p>   この制度は、NPO*1、飲食店事業者、学識経験者等で構成される「いわて地産地消推進会議」が、県産食材を積極的に使用している飲食店の取組を5項目の基準をもとに評価し、1つ星(★)、2つ星(★★)と、星の数で表した認定証を発行している。18年3月現在、45店が認定されており、このうち1つ星は28店、2つ星は17店となっている。</p> <p>   認定店では、テレビや雑誌などマスメディアによる報道や推進会議のホームページでの店舗紹介による知名度の向上等の効果がみられる。また、認定基準に達しなかった飲食店のなかには、使用食材を県産品に切り替えて再度応募する例もみられ、本制度を契機として県産食材のニーズが高まり、農業者の生産意欲の向上につながることが期待されている。</p> <p>   今後は、認定店の拡大、ブランドイメージの確立、制度の知名度の向上のほか、共同による県産食材仕入れルートの拡大等が課題となっている。写真5 いわて地産地消レストランの認定基準</p> <p><em>(2)小中学生が会社経営を体験しながら取り組む地産地消(香川県三木町) </em>図3</p> <p>   香川県三木町立小簑小中学校では、生徒が1日農業体験の授業を受けて、地元の新鮮な野菜のおいしさを再発見したことを契機として、地元の農業に関心をいだき、15年度に地元の野菜を仕入れて農協の直売所で販売する模擬的な株式会社を中学生自らが先生等の協力を得て設立した。設立の際には、株式会社の仕組み、地元の農業や流通経路を事前に調べ、農協や地元の農家を対象に説明会を開催するとともに、地域住民や教職員から出資を募り、活動の方針と内容についての理解を求めた。具体的な取組として、生徒が野菜の仕入れ、販売、宣伝等を分担して行うとともに、社訓や地場農産物の地産地消の歌も作成している。17年度からは小学生も参加し、取組の強化が図られている。</p> <p>   この取組を通じて、生徒たちは、新鮮な地元農家の野菜を広く地域の人々に提供する意義や大切さを理解することができた。また、生徒の活動に刺激を受けた農家が、営農組合を設立して地元の米のブランド化や産直市場の設置等に取り組み、地域農業の活性化を図る動きがみられる。 写真6</p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p><em>(食料自給率向上につながる地産地消の取組)</em></p> <p>   地産地消は、地域で草の根的に広がりをみせてきた活動であり、固定的、画一的なものではなく、柔軟性・多様性をもち、国民一人ひとりが身近にできることから取り組むことが最も重要である。その一方で、地産地消を運動として継続的に進めるため、政府や地方公共団体等が取組の機運を醸成し、先導役となることも必要である。このため、市町村等が主体となり、地域において実践的な取組を進めるための地産地消推進計画の策定が進められている。17年度の目標600地域に対して、618地域(18年3月末現在)での計画策定が行われており、今後も策定地域を増加させ、地産地消の運動を全国的に浸透させていくことが課題である。</p> <p>   また、優良事例の収集・提供による情報・ノウハウの提供、地産地消の核となる直売施設等の環境整備への支援、情報技術(IT)等を利用した生産者と消費者・実需者のマッチングを図る情報交換の場づくり、地域のリーダーとなる人材の育成等に取り組むことが必要である。</p> <p>   これらの取組を通じて、生産者が消費者等のニーズを的確に把握した生産を行うとともに、消費者が農業への関心を高め、地場農産物をはじめとする国産農産物を選択する機会がふえることにより、食料自給率向上への寄与を目指すことが重要である。</p> <p class="style1">(3)食料産業の動向</p> <p><em>(国内総生産の1割を占める重要な食料産業)</em></p> <p>   食料産業は、食にかかわるすべての産業の総称であり、農水産業と食品産業(食品製造業、食品流通業と外食産業)、これらに関連する資材供給産業、流通産業等から構成されている。その経済規模は、我が国の国内総生産(GDP)*1の10%(15年度)を占め*2、国民経済のなかで重要な地位にある。</p> <p>   また、食料の生産から流通、消費に至るフードシステムの全体像を産業連関表によってみると、生産段階での15兆3千億円の食用農水産物が、製造・加工や流通、飲食店でのサービスの提供等により段階的に経済的価値を高め、消費段階で最終的に支払われた飲食費の総額は80兆3千億円に上っている(図I−21)。この内訳を昭和60年と比較すると、食の簡便化や外部化の進展を反映して、平成12年の加工品と外食の支出割合は、飲食費の最終消費額の8割まで上昇している。</p> <p>   このように、我が国のフードシステムは、経済規模が大きく、かつ、生産から消費に至るまで多くの段階からなっており、関連産業のすそ野が広い大きな産業分野を形成している。</p> <p>   以下では、フードシステムの各段階における近年の動向と課題を整理する。</p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p> *2 農林水産省「農業・食料関連産業の経済計算」</p> <p><em>(飲食費の最終消費額に占める流通経費の割合が上昇)</em></p> <p>   飲食費の最終消費額における産業別の帰属割合をみると、農水産業が2年の25.3%から12年には19.1%に低下する一方、食品流通業が12年には32.4%と全体の約3分の1を占めるまでに上昇している。個別品目を例にみると、野菜では42.1%、そう菜・すし・弁当では38.6%が流通経費で占められている(図I−22)。</p> <p>   こうした動きには、食品流通業の労働集約的な産業特性に加えて、鮮度や品質を重視する消費者志向や弁当・調理食品の日配品の需要の増加等に対応して、冷蔵・冷凍輸送や多頻度・小口配送によってコストが増加していることも影響しているとみられる。</p> <p><em>(食品流通の経路や取引形態の多様化が進行)</em></p> <p>   食品流通においては、生鮮食料品の分野を中心に、卸売市場が安定供給や公正な価格形成等の機能を果たしており、15年度には、青果物の7割、水産物の6割が卸売市場を経由している。</p> <p>   その一方で、近年では、インターネットやカタログによる通信販売、食品企業による加工品等の直接輸入、国内産地と食品企業の契約取引、農産物直売所の広がりなど、食品流通経路の多元化が進展し、市場経由率は低下傾向にある。</p> <p>   また、卸売市場経由の取引や流通形態も多様化しつつあり、大規模小売店舗の調達ニーズにあわせた相対取引の増加、卸売業者による買付集荷*1の増加等の動きもみられる。</p> <p>   このようななかで、卸・仲卸業者のなかには、産地と消費者のニーズのつなぎ役となるため新たな商品開発を進めるなど、業務の多角化に向けた動きもみられる。</p> <p>*1 卸売業者が自己の計算において商品を仕入れ、それを市場で販売するものであり、売買に伴う損益は卸売業者が負う。改正卸売市場法(16年6月施行)以前は、原則禁止とされていた行為。</p> <p><em>(食品小売業における業態間の競争が激化)</em></p> <p>   食品小売業の年間販売額は、全小売業の約3分の1を占めているが、食料消費全体が低迷するなかで、16年の年間販売額は、5年前に比べて5.2%減少している*1。業態別にみるとスーパーやコンビニエンスストアの割合が上昇し、食料品専門店・中心店の割合は低下している。</p> <p>   また、食品関連小売店の売場面積をみても同様の傾向にあり、この背景としては、スーパーによる郊外型大型店舗の展開や収益が比較的安定している食料品分野の重視、弁当やそう菜分野に強いコンビニエンスストアの多店舗展開、既存商店街の不振や個人事業者の高齢化等に伴う廃業等が考えられる(図I−23)。</p> <p>   しかしながら、スーパーやコンビニエンスストアにおいても、食料消費の低迷や他の業態も含めた業態間の競争激化等から、売場面積当たりの販売額は減少または横ばいで推移している。</p> <p>   特に、最近では、生鮮食料品中心の安売り専門店、食品分野を併設する総合ディスカウント店、安価な均一価格で少量包装の生鮮品を販売するいわゆる生鮮コンビニ、医薬品等に加え食品も扱うドラッグストアなど、食料品販売業態の多様化が一層進行しており、競争激化の一因となっている。</p> <p>   これらの店舗の特徴は、多様なニーズをもつ消費者に対して、施設の利便性、安価、少量、均一価格、生鮮品の重視など、特徴や強みを発揮する分野を重点化・明確化して、消費者の購買ニーズをつかもうとしていることにあると考えられる。</p> <p>   今後、さらに競争が激化するとみられるなかで、食品小売業においては、コスト削減の取組とあわせて、消費者をひきつける特徴と魅力のある品ぞろえと店舗展開が重要となっている。</p> <p>*1 経済産業省「商業統計」</p> <p><em>(外食産業、食品製造業における原材料調達の海外依存の強まり)</em></p> <p>   外食産業の市場規模は、食の外部化の進展等により拡大傾向にあったが、9年の29兆702億円をピークに8年連続して前年を下回って推移している(図I−24)。一方、弁当、おにぎり、そう菜等の中食*1産業の市場規模は拡大しているものの、その伸び率は近年鈍化している。</p> <p>   このように外食産業の市場規模が縮小するなかで、飲食店の経営環境は付加価値率が低下するなど厳しい状況にある。</p> <p>   外食企業を対象としたアンケート調査によると、売上高のうち、食材費が37.1%と最も高い割合を占めている*2。このため、食材にかかわる物流・仕入面の改善策として、大手企業を中心に、物流の合理化やコスト削減、食材の仕入れルートの見直し、仕入先の集約等を経営施策上、重視する傾向がみられる(図I−25)。</p> <p>   また、食品製造業の動向をみると、需要が堅調な冷凍調理食品製造業、そう菜製造業が出荷額を伸ばしている(図I−26)。しかしながら、近年では生産性の向上に陰りがみられ、従業者1人当たりの付加価値額は、製造業全体が増加傾向であるのに対し、食料品関連部門は減少となっている。</p> <p>   このように厳しい情勢のなか、外食産業や食品製造業が原材料の調達において重視する定価・定量・定品質という条件に国内農業は必ずしも十分対応できておらず、加工・外食に仕向けられる輸入食品の割合は、2年の43.0%から12年の49.2%へと上昇している*3。なかでも、加工、半加工品の形態での輸入の割合が上昇している。</p> <p>   さらに、食品製造業のなかには、販路の拡大、原材料の確保、コスト削減等をねらいとした海外進出を行っている企業もみられる(表I−7 ダウンロード)。食品製造業の海外生産比率*4は4.4%(16年度)と製造業全体の16.2%(同年度)に比べて低いものの、5年前に比べて1.6ポイント上昇している。</p> <p>   このように、食品製造業においては、海外での販路拡大、原材料調達等におけるグローバル化の進展もうかがわれる。特に、我が国の近隣には、中国、台湾、韓国、ASEAN諸国等における経済発展に伴い拡大傾向にある東アジア市場が存在している。また、これらの国や地域は、豊富な労働力や農林水産物資源を有するとともに、欧米とは異なる独自の食文化を形成している。</p> <p>   食品産業としては、こうした特徴と魅力を備えた東アジア市場を重要な市場と捉えて、海外進出に取り組むことも課題となっている。</p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p> *2 (社)日本フードサービス協会「外食産業経営動向調査」(17年3月公表)。図I−25の注釈参照。</p> <p> *3 総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算。</p> <p> *4 海外生産比率=現地法人売上高/(現地法人売上高+国内法人売上高)×100</p> <p><em>(中間投入率が高い農業資材供給産業)</em></p> <p>   外食産業や食品製造業のニーズに国内農業が十分に対応できていない理由の一つに、輸入品に比べて国産農産物の価格が相対的に高いことがあげられる。</p> <p>   農産物価格の形成に影響を及ぼす要素として、農業経営規模や農地価格等に加え、肥料、農薬、飼料や農業機械等の生産資材のコストが考えられる。</p> <p>   肥料製造業や農薬製造業等の農業資材供給産業のコスト構造の特徴をみると、製造業全体に比べ、生産額に占める原材料、燃料等の物財経費等の割合(中間投入率)が高い水準にある(図I−27)。また、原油価格や海上運賃の高騰等の影響を受けやすいこともあり、近年の中間投入率は上昇傾向にある。</p> <p>   このような農業資材供給産業のコスト構造のなかで、農業経営費(販売農家1戸当たり平均)のうち、肥料、農薬、農業機械等にかかる費用は、10年の83万9千円から15年の82万6千円へと減少しているものの、経営費全体に占める割合は10年の34.1%、15年の33.3%と約3分の1を占めており、依然として農業経営に与える影響が大きい状況にある*1。</p> <p>*1 農林水産省「農業経営統計調査(農業経営動向統計)」</p> <p><em>(生産から流通、消費に至るコスト削減が必要な我が国のフードシステム)</em></p> <p>   我が国の農産物や食料品の価格の形成には、これまでみてきたように農業生産から食品の流通までの各段階における高コスト構造の問題が影響を及ぼしている。</p> <p>   農産物や食料品の価格に影響を及ぼす諸要素を海外と比較すると格差がみられる。このうち、農地価格の形成には、人口や経済活動の規模、都市との近接性、農業経営の収益性等の様々な要素が影響している。これらの要素は、国ごとに大きく異なるものの、我が国の農地価格は欧米と比較して著しく高くなっている(表I−8 ダウンロード)。</p> <p>   また、生産資材価格を日米間で比較すると、品質格差や性能、流通形態等に相違があることから単純に比較できないが、1.1〜1.3倍の価格差が生じている。</p> <p>   このような農業生産段階のコストのほかに、流通や加工等の段階も含めた人件費、地価、エネルギー価格等のコスト要因、為替要因が加わることにより、我が国の食料品価格は東京を100とした場合、ニューヨーク87、ロンドン78、パリ93と欧米に比べて割高である*1。</p> <p>   このような高コスト構造は、輸入品との価格競争力を弱めるとともに、消費者に納得する価格で国産の食料品を提供し得なくなることから、生産から流通、消費に至るフードシステム全体のコスト削減の改革が重要である(図I−28)。</p><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"></span><span><blockquote style="float: none; padding: 3px 15px; border: thin solid rgb(224, 224, 224);"><a href="http://lilmisstarbtirb.blogspot.com/">コスタリカを教える方法</a></blockquote> <p>   生産段階では、担い手の育成・確保や農協の経済事業改革とあわせて、関係団体等が策定している「農業生産資材費低減のための行動計画」の改定と、これに基づく取組の推進が重要となっている。</p> <p>   同計画の取組については、例えば、割安な大型包装規格の農薬、基本性能を確保しつつ作業性・利便性の高い機能を限定することで従来型に比べて10〜20%の価格低減を実現した「低コスト支援農機」等の低廉な資材の普及等に一定の成果がみられる。今後、さらなる生産資材費の低減に向けて、低廉な資材の供給、物流の合理化とともに、肥料、農薬の投入量の削減や農業機械の稼働面積の拡大に資する新技術の導入等を通じた資材の効率利用を推進することが重要となっている。</p> <p>   流通段階では、情報技術(IT)や物流技術の革新等を踏まえて、電子商取引を導入した商流と物流の分離によるコスト削減や電子タグを活用した新しい物流管理手法の確立による物流効率化、モーダルシフト*2の推進等による物流コスト改革、卸売市場の再編・連携強化が重要となっている。</p> <p>*1 農林水産省「東京及び海外主要5都市における食料品の小売価格調査」(17年7月公表)</p> <p> *2 図I−28の注釈参照。</p> <p><em>事 例</em></p> <p><em> 地方の卸売市場が連携した共同集荷により、最適な物流の実現を図る取組</em> 図4</p> <p> 群馬県内の中小規模の地方卸売市場では、野菜の主産地であるにもかかわらず、農協合併等による産地の大型化に伴い、出荷先の卸売市場の選別が強まり、東京の中央卸売市場に大きなロットで出荷するようになったため、単独で集荷することが難しくなってきた。このため、東京の中央卸売市場に一度出荷されたものを自県内の地方卸売市場が集荷する、いわゆる転送荷がふえ、物流コストが増加するという問題をかかえていた。</p> <p>   この問題の解決を図るため、県内の2つの中核的な市場が物流拠点となり、これに複数の中小規模の市場が連携して大きなロットで共同集荷することによって、最適な物流の実現を図る実証的な取組が進められている。中核市場と連携市場の間はインターネットを活用した取引システムで結ばれることで、商品の受発注の効率化と各市場間の集配の合理化が図られている。これらの取組により、年間2,100万円の物流コストが削減できると試算されている。また、集荷力の向上に伴い、これまで取り扱えなかった他地域の市場の地場産野菜の取引が可能となるなど、取扱量が増加している。</p> <p>   今後は、平成16年に改正された卸売市場法のもとで、市場再編を視野に入れた各市場間の連携強化、代金決済機能を付加した効率的な取引システムの構築等が課題となっている。 最適物流の概念図</p> <p> 加工段階では、加工・業務用需要等に対応した農産物の安定的な供給と物流の効率化を図るため、食品産業等の農業参入も含めた生産者との提携による原材料調達の低コスト化、加工・業務用需要に的確に対応した国内生産体制の整備が重要となっている。</p> <p>   また、農業と食品産業は、我が国の食料供給を支えるいわば車の両輪であることから、農業生産の減少は、食品産業による国産農産物の調達に直接影響を及ぼすことになる。このような状況のもとで、地域では契約取引等により特定の産地との結び付きを強める食品産業の動きもみられる。今後、国産農産物の特性、利点を活かすため、食品産業の流通、加工、製造、企業経営等のノウハウを活用した農業との連携強化を図ることが重要である。</p> <p>   このように、フードシステムにおいて、生産、流通、加工の各段階における取組を推進することは、食料産業の国際競争力の強化を通じて、安全で良質な国産の食料品を納得する価格で消費者に提供することを促し、ひいては、国民あっての農業・農村、農業・農村あっての国民の食にかかわる満足・安心というお互いの強固な関係を構築していくうえできわめて重要である。</p> <p><em>事 例</em></p> <p><em> 食品流通業者と産地の連携等による野菜等の加工・新商品開発の取組</em></p> <p> 野菜を主に取り扱う東京都の仲卸業者は、卸売市場の規制緩和が進むなかで、事業の高度化を図るため、産地との連携等を強化することを通じて、消費者や実需者のニーズに柔軟に対応できる体制づくりを進めている。</p> <p>   具体的には、生産者による野菜の洗浄、選別、カット、包装等の出荷調製作業の負担の軽減や、規格の簡素化、コンテナ配送等による流通の簡素化を図るため、産地サポートセンターを設置し、生産者との直接取引を拡大している。また、生産現場段階からの一貫したトレーサビリティ・システムの導入、農産物の残留農薬のチェック、加工センターの整備によるカット野菜・カットフルーツ等、高付加価値商品の開発に取り組んでいる。</p> <p>   今後は、生産者との連携をさらに強化する観点から、産地サポートセンターの拠点を拡大し、安定した供給体制の整備のため、契約産地・契約品目の拡大に取り組むこととしている。また、栄養価の高い野菜のブランド化の推進や農産物残さのリサイクルシステムの確立が課題となっている。写真7 </p> <p><em>(食品表示や食生活、食品廃棄等をめぐる問題への食品産業の取組)</em></p> <p>   我が国では、食品の偽装表示、栄養のかたより等食生活の乱れ、大量の食品廃棄等の問題が生じており、食料産業の中核を担う食品産業としてもこれらの問題への対応が課題となっている。</p> <p>   外食、中食産業に対する消費者の要望としては、「より安全で安心なもの、健康に良いものを提供してほしい」とする割合がそれぞれ67.4%、69.1%と最も高くなっている*1。</p> <p>   これらの情勢を踏まえ、食品産業事業者においては、食品表示やトレーサビリティ・システムを通じた使用食材に関する正確な情報の提供、小学校等への出張授業による食育に取り組む動きがみられる。今後は、食品表示の取組の徹底、「食事バランスガイド」の普及・活用を通じた一層の食育の推進等が重要である。</p> <p>   また、家庭での食品の廃棄や食べ残しに加えて、食品の製造・流通過程での大量の食品廃棄に対する取組が進められている。</p> <p>   スーパーやコンビニエンスストア等の食品小売業から発生した260万トン(16年度)の食品廃棄物のうち、売れ残り(賞味期限切れ)や返品に起因するものは、22%を占めている*2。この背景には、消費者の過度な鮮度志向への対応、他店との競争激化のもとでの品ぞろえの充実、廃棄や売れ残りを前提とした仕入れ等が影響しているとみられる。</p> <p>   このため、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)が13年に施行され、食品関連事業者の再生利用等の実施率の目標(18年度)が20%に設定されている。</p> <p>   同法施行後の食品廃棄物の発生状況等を業種別にみると、発生量は横ばいまたは微増傾向で推移するなかで、再生利用等実施率は、いずれの業種も上昇傾向にある。なかでも食品製造業が高い水準にあるが、食品小売業や外食産業では低水準で推移している(図I−29)。これら業種の水準が低い背景には、多様な食材からなる食品廃棄物が、店舗ごとに少量ずつ分散して発生する業態の特性が効率的な再生利用を困難にしていることに加え、処理に要するコストや労力等の負担が影響していることが考えられる。</p> <p>   食品廃棄物の発生の抑制、再生利用と減量化を図ることは、資源のむだ遣いの防止はもとより、バイオマス資源化、地球環境保全、食料自給率向上等、様々な意義を有している。今後は、食品廃棄物の発生の抑制も重視しつつ、再生利用と減量化の推進に向けて、食品関連事業者、消費者、国、地方公共団体等が一体となって取り組むことが不可欠である。</p> <p>*1 農林漁業金融公庫「中食や外食の利用に関するアンケート調査」(15年8月公表)。過去に同公庫が実施した食生活などに関する調査に対し回答のあった1,250名を対象として実施(回収率64.0%)。</p> <p> *2 農林水産省「食品循環資源の再生利用等実態調査」(17年10月公表)</p> <p class="style1">(4)農産物輸入の動向</p> <p><em> (世界最大の農産物純輸入国)</em></p> <p>   我が国の農産物輸入は、食生活の多様化や食の外部化の進展、農業生産面における狭あいな国土条件の制約等を背景に、質・量ともに大きく変化してきている。</p> <p>   輸入農産物の動向を長期的にみると、高度経済成長期には、国民所得の増加を背景とする食生活の変化に伴い、畜産物や油脂類の需要が増加し、家畜飼料用のとうもろこしや植物性油脂原料の大豆等の輸入が大きく増加した。また、平成に入ると、加工・業務用の需要や食肉需要の増大等に伴い、製品形態での畜産物や生鮮野菜等の輸入が増加している。</p> <p>   このような品目や形態の変化を伴いながら、我が国の農産物輸入額は増大し、2004年では4兆5,739億円となっている。</p> <p>   このように、我が国の農産物輸入額が増大するなかで、農産物貿易収支は、石油や天然ガス等の化石資源や鉄鉱石等と同様、大幅な輸入超過となっており、農産物純輸入額は396億ドル(2004年)に上り、世界最大の農産物純輸入国となっている(図I−30)。</p> <p>   また、大量の農産物を輸入しているということは、海外で農産物が生産される際に使用される水資源もあわせて輸入しているとみることができる。我が国の農産物輸入に伴う水資源の輸入量を仮想水(バーチャルウォーター)*1として試算すると、国内の総水資源使用量の7割に相当する627億m3に達している(2000年)*2。</p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p> *2 東京大学生産技術研究所の沖大幹助教授等のグループによる試算。</p> <p><em>(品目や形態の変化が進むアジアからの輸入)</em></p> <p>   近年の我が国の農産物輸入の動向について、食品等の輸入届出関係の統計をもとにみると、届出件数と総重量は、それぞれ179万件、3,427万トンとなっており(2004年)*1、ともに増加傾向にある。また、輸入食品等に対し、食品の安全確保の観点から検査が行われているが、その件数も輸入量等に伴い増加しており、年間で18万9千件の検査が行われている(2004年)。</p> <p>   届出件数と総重量について、10年前と比較すると、総重量は12%増となっているが、届出件数については86%増となっており、総重量に対し大幅に増加している。このため、届出1件当たりの重量は、減少傾向となっている。さらに、地域別の1件当たりの重量をみると、アジアと欧州では小さく、北米では大きくなっており、重量当たりの金額は、1件当たりの重量が小さいアジアや欧州では、重量が大きい北米に比べ高くなっている(図I−31)。このような傾向は、我が国がアジアや欧州からは、単価が相対的に高い加工食品や生鮮品等を中心に輸入しており、北米からは大きなロットで単価が相対的に安い小麦や大豆等を中心に輸入していることも影響しているとみられる。</p> <p>   また、最近の農産物輸入は、東アジア*2からの輸入の増加が顕著であるが、その特徴を輸入額に占める割合が高い東アジアの3か国(中国、タイ、韓国)についてみると、品目の変化や加工度の高い品目の割合の上昇がみられる。1994年の中国、タイからの輸入は、とうもろこし等穀物類の割合が最も高かったが、2004年には、穀物類の割合が著しく低下し、中国では調理野菜等が27.6%、タイでは調製肉等が28.3%と最も高くなるなど、品目構成が大きく変化している(図I−32)。韓国については、調味料等を含むその他食料品が18.3%から25.2%に、酒類等を含む飲料の割合が5.1%から23.4%と大きく上昇している。</p> <p>   このような農産物輸入構造の変化には、外食や中食の需要の高まり等、食料消費形態の変化に加えて、国内の市況や需要の変動に即応して、食材調達の機動性を高める食品関連事業者等の動きも影響していると考えられる。</p> <p>*1 厚生労働省「輸入食品監視統計」</p> <p> *2 ここでいう東アジアとは、ASEAN諸国を含む。</p> <p><em>(特定国に依存する我が国の農産物輸入の構造)</em></p> <p>   我が国の農産物輸入先国をみると、米国、中国、オーストラリア、カナダ、タイの上位5か国で全体の6割強を占めている(図I−33)。さらに、輸入品目別にみると、とうもろこしや大豆等では上位2か国で8割以上を占めている。</p> <p>   2004年は、2003年12月の米国でのBSE発生に伴う牛肉等の輸入禁止措置の影響により、これまで割合が高かった米国産牛肉等が減少したものの、穀物等を中心に、米国からの輸入割合は依然高い水準にある。また、最近では、野菜等の輸入の増加により、中国の割合が上昇している。</p> <p>   このように、特定国に依存する傾向が強い我が国の農産物輸入の構造は、スケールメリット(規模の経済)が発揮され、効率的な一面もあるが、気象変動による作柄の変動等をはじめとする輸入先国の生産動向や、ほかの輸入国の大量買付等に伴う国際的な市況の変動等の影響を受けやすいという一面ももっている。さらに、BSEや高病原性鳥インフルエンザ等の家畜疾病の発生に伴う輸入禁止措置の発動等にみられるように、食の安全確保の観点からの影響も受けやすい構造となっている。</p> <p class="style1">(5)食料自給率向上の取組</p> <p><em>(食料自給率の示し方)</em></p> <p>   食料自給率は、国内の食料消費が国内生産によってどの程度賄えているかを示す指標である。その示し方として、品目別自給率、穀物自給率、総合食料自給率の3通りに大別される。</p> <p>   このうち、品目別自給率、穀物自給率は、それぞれ個別品目、穀物について、国内消費に対する国内生産の比率を重量ベースで表したものである。また、総合食料自給率は、国民が消費する多種多様な食料の総合的な自給の度合いについて、供給熱量ベース(カロリーベース)または生産額ベースで表す指標である。</p> <p>   なお、カロリー、生産額、重量をベースとする指標にはそれぞれ特性があり、いずれか1つの指標で食料の安定供給や国内農業の生産活動のすべての側面を示すことはできない。このため、各指標の特性を踏まえ、それぞれの用途に応じて利用することが重要である。</p> <p><em>(世界のなかでも低い我が国の食料自給率)</em></p> <p>   我が国の食料自給率の動向をみると、供給熱量ベースの総合食料自給率(以下、「供給熱量ベースの自給率」という。)は、長期的に低下傾向にあり、昭和40年度の73%から平成16年度の40%に大きく低下している(図I−34)(表I−9 ダウンロード)。同様に穀物自給率は、62%から28%に、主食用穀物自給率は80%から60%に低下している。</p> <p>   また、我が国の供給熱量ベースの自給率を主要先進国と比較すると、オーストラリア230%、フランス130%、米国119%、ドイツ91%、イギリス74%となっており、最低の水準にある(2002年)。</p> <p>   さらに、穀物自給率を世界173の国・地域と比較すると、我が国は124番目に位置し、経済協力開発機構(OECD)加盟国30か国のなかでも27番目*1と、アイスランド、オランダに次いで低い水準にある(2002年)。</p> <p><em>(長期的には食生活の変化が食料自給率低下に影響)</em></p> <p>   供給熱量ベースの自給率は、供給熱量(分母)に当たる食料消費と国産熱量(分子)に当たる国内生産の関係を比率で表しているため、両者の動向によって大きく変動する。</p> <p>   国民1人1日当たりの供給熱量の動向を昭和40年度と平成16年度で比較すると、2,459kcalから2,562kcalへと増加しているが、近年では8年度の2,670kcalをピークに減少傾向にある。このように、1人当たりの供給熱量には、長期的には大きな変化は生じていないといえる。</p> <p>   しかしながら、高度経済成長期を中心に食生活は大きく変化し、畜産物や油脂類等の品目の割合が上昇している(図I−35)。</p> <p>   特に消費のふえた畜産物の生産に必要な飼料穀物(とうもろこし等)や植物油脂の原料となる油糧種子(大豆等)の生産には広大な農地が必要である。これらの原料をはじめ、我が国の主な輸入農産物の生産に必要な農地は約1,200万haと試算され、これは我が国の耕地面積469万ha(17年)*2の2.6倍に相当している。このような広大な農地を国内で確保することは、我が国の国土条件の制約等から困難であり、飼料穀物や油糧種子等の多くを海外に依存している状況にある。</p> <p>   このように、食生活が大きく変化し、需要の増加に対して国内生産では供給が難しい品目を中心に輸入農産物が大きく増加したことが、供給熱量ベースの自給率の長期的な低下に影響を及ぼしている。</p> <p>*1 経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、ルクセンブルクのデータが不明なため、同国を順序に含めていない。</p> <p> *2 農林水産省「耕地及び作付面積統計」</p> <p><em>(作付延べ面積の減少も食料自給率低下に影響)</em></p> <p>   一方、国産熱量の動向について、水産物を除いた後の国産熱量を国内の農地から供給された総熱量と仮定して試算した値をもとにみると、国産農産物の総熱量は、昭和40年代に減少した後、50年代には一時増加に転じたが、60年代以降は再び減少傾向にある(表I−10 ダウンロード)。</p><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"></span><span> <p>   この動きを単位作付面積当たり熱量と作付延べ面積の関係でみると、単位作付面積当たりの熱量は、40〜60年の間に大幅に増加し、平成7〜16年の間もわずかに増加している。これに対して、作付延べ面積は、昭和50年代に一時的に緩やかな減少となった時期を除けば一貫して大きく減少しており、その要因としては、耕地面積の減少に加えて耕地利用率の低下が作用している。</p> <p><em>(品目ごとの変動幅が縮小傾向にある供給熱量と国産熱量)</em></p> <p>   こうした状況を踏まえ、供給熱量と国産熱量の長期的な動向を品目ごとにみると、40〜60年度の間には、各品目の供給熱量の変動幅が大きく、特に国内生産に適している米が大きく減少する一方、油脂類や畜産物が増加している(図I−36)。</p> <p>   また、昭和60〜平成10年度の間には、各品目の供給熱量の変動幅が小さくなるなかで、米、油脂類、魚介類、野菜・果実等多くの品目で国産熱量が減少している。</p> <p>   さらに、近年の10〜16年度の間には、供給熱量、国産熱量ともに各品目の変動幅がさらに縮小するなかで、依然として米の供給熱量、国産熱量が減少する一方、小麦の国産熱量は増加している。</p> <p><em>(供給熱量ベースに比べ低下幅が小さい生産額ベースの自給率)</em></p> <p>   生産額ベースの総合食料自給率(以下、「生産額ベースの自給率」という。)は、昭和40年度の86%から平成16年度の70%へと低下しているが、供給熱量ベースに比べて、低下の程度は相対的に緩やかなものになっており、近年では両者の差が広がる傾向にある。</p> <p>   生産額ベースの自給率は、供給熱量ベースに比べて、比較的カロリーの低い野菜や果実、飼料の多くを輸入に依存している畜産物の国内生産の動向が反映されやすいという特徴がある。</p> <p>   生産額ベースと供給熱量ベースの自給率について、品目別に構成比をみると、米の占める割合は昭和40〜平成16年度の間に、いずれも大きく低下している。しかしながら、野菜、果実、畜産物は供給熱量ベースでは低下傾向にあるものの、生産額ベースでは上昇または横ばいで推移している(図I−37)。</p> <p>   このような動きは、我が国の農業生産が、野菜、果実、畜産物など比較的付加価値の高い品目の割合を高めてきたことも反映しているものとみられる。</p> <p><em>(都道府県別の食料自給率の動向)</em></p> <p>  食料自給率は、一般的には、全国ベースの数値で表されることが多い。その理由としては、大都市圏と地方圏では食料需要の大きさや農業生産構造が大きく異なるうえ、農産物の広域大量流通が進展しており、単純に都道府県別に水準を比較することが難しいという面がある。しかしながら、都道府県別の食料自給率は、各都道府県における食料自給率向上に向けた積極的な取組を推進するうえでの一つの重要な指標と考えられ、積極的に活用されることが期待される(表I−11 ダウンロード)。</p> <p>   都道府県別に10年度以降の供給熱量ベースと生産額ベースの自給率の増減についてみると、7府県で両指標とも増加しているが、16府県でともに減少している(図I−38)。また、供給熱量ベースが増加しているものは15道府県に対し、生産額ベースが増加したものは都道府県の約半数に相当する23都府県となっている。</p> <p><em>(ぜい弱性の内在する我が国の食料供給構造)</em></p> <p>   我が国は、豊かな食生活を享受している反面、供給熱量ベースで食料の6割を海外に依存し、年間4兆円以上の農産物を輸入する世界最大の農産物純輸入国である。しかも、特定国への輸入依存度が高く、輸入先国の作柄や作付け等の変動による影響を受けやすい状況にある。加えて、近年では国内外でのBSEや高病原性鳥インフルエンザの発生など、食の安全確保の観点から食料需給が大きく変動する事態が生じている。</p> <p>   さらに、世界の食料事情をみると、約8億人以上にも及ぶ栄養不足人口*1、水資源の枯渇や不安定化、土壌の劣化・砂漠化、地球温暖化の進行等による問題が顕在化しつつある。近年では、アジア諸国等における経済発展によって穀物等の需要が増大しており、例えば、中国は我が国と同様に農産物純輸入国となっている。</p> <p>   このようにみてくると、食料の多くを海外に依存する我が国の食料供給構造には、食の安全や安定的な供給の確保の観点からぜい弱性が内在している。</p> <p>   不測の事態が発生して、万が一、輸入が途絶するなどの事態に陥ったときには、27年度の食料自給率目標が達成された場合における農地面積、農業技術水準等のもとで、いも類等の熱量効率の高い作物への作付転換を図ることにより、国民が最低限度必要とする1人1日当たり1,880〜2,020kcalの熱量供給が可能であるとの試算結果がある。これは昭和20年代後半とほぼ同じ供給熱量が確保される水準であり、現在の食生活と比べてその水準、内容は大きく変化することになる。</p> <p>*1 [用語の解説]を参照。</p> <p><em>(食料の安定供給の取組指針としての食料自給率目標の意義)</em></p> <p>   このような状況のもとで、国民の生存にとって不可欠な食料の安定供給を将来にわたり確保していくためには、国内生産の増大を図ることを基本とする必要がある。</p> <p>   主婦を対象としたアンケート調査によると、6割の人が国内の生産を振興し、供給力を増加させ、畜産の疾病や災害があっても食料供給に大きな変動がないようにすべきだと考えている*1。</p> <p>   供給熱量ベースで40%という現在の食料自給率の水準は、今日の飽食ともいうべき平時の食生活をも反映しており、量より質を求める消費者ニーズや、むだや廃棄を伴う食生活のあり方に左右される面がある。したがって、直ちに不測の事態における国内農業の食料供給力の程度を示すものではない。しかしながら、食料自給率は国内の農業生産が国民の食料消費にどの程度対応しているかを示すものであり、食料の安定供給にかかわる各種の取組を評価するうえで重要な指標といえる。</p> <p>   食料自給率の目標を掲げ、その達成に向けて、農地・農業用水、担い手、農業技術等を確保していくことは、国内の農業生産の増大や不測時における食料安全保障の確保につながるものであり、これらの取組を通じて国内農業の食料供給力の強化を図ることが重要である。したがって、国民の日常の食生活にかかわりの深い食料消費と農業生産の両面にわたる国民参加型の取組の指針として、目標を掲げることに大きな意義がある。</p> <p>*1 農林漁業金融公庫「食料供給に変動があった場合の購買行動に関するアンケート調査」(17年3月公表)。全国の主婦を対象として実施したインターネット調査(回答総数2,028)。</p> <p><em>コラム ハリケーン「カトリーナ」により日本向けの穀物輸出が一時ストップ</em></p> <p> 2005年8月に米国南部のルイジアナ州を襲った超大型のハリケーン「カトリーナ」による甚大な被害の様子をとらえた映像が世界中を駆けめぐり、人々に衝撃を与えました。</p> <p>   北大西洋の海上で発生するハリケーンには、「カトリーナ」や「アンドリュー」など、人名が付けられています。かつては、女性の名前が付けられていましたが、男女同権運動の高まりに伴い、被害をもたらすハリケーンに女性の名前だけを付けることに批判の声が高まり、1979年以降は、男性と女性の名前が交互に付けられています。ハリケーンの名前は、あらかじめ用意された6種類のアルファベット順の人名リストから毎年順番に繰り返し選ばれます。ただし、甚大な被害をもたらしたものは、その後、リストから外されるため、カトリーナの名前は今後使われないことになりました。</p> <p>   このように甚大な被害をもたらしたカトリーナは、実は我が国の食料供給にも大きな影響を及ぼす可能性がありました。</p> <p>  米国の一大穀倉地帯のアイオワ州、イリノイ州等で生産されたとうもろこし・大豆等は、その多くがミシシッピ川の水運を利用して、米国最大の穀物輸出港であるニューオーリンズ市周辺に集められます。その後、「パナマックス」と呼ばれる大型の穀物専用輸送船に積み替えられ、パナマ運河を経て国内各地の穀物コンビナートへと運ばれます。我が国に輸出される飼料用とうもろこしの7〜8割、大豆の8割程度がこの地域から積み出されているといわれています。</p> <p>   このため、今回のカトリーナがニューオーリンズ市を直撃したことから、日本向けのとうもろこしや大豆の積み出しが一時ストップしました。幸いにして現地の関係者の復旧に向けた努力、国内の流通在庫や備蓄の放出等により国内における供給への大きな影響は回避されましたが、当初は穀物等の積み出しの再開の目途が立たず、復旧作業の長期化を懸念する声もありました。</p> <p>   我が国の食料供給は、その6割を海外から輸入しています。このため、海外の自然災害の発生も対岸の火事ではなく、私たちの生活に直接、影響が及ぶ可能性を常にかかえており、ぜい弱な一面があります。写真8 </p> <p>ハリケーン「カトリーナ」の進路</p> <p><em>(供給熱量ベースで45%を掲げる総合食料自給率の目標)</em></p> <p>   基本計画において、食料自給率の目標の考え方としては、不安定な世界の食料事情や我が国の食料供給に対する国民の不安を踏まえ、基本的には、国民に供給されるカロリーの5割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当とされている。</p> <p>   一方、基本計画で設定される具体的な目標値としては、望ましい食生活と国内生産の指針としての役割、計画期間内の実現可能性を考慮する必要がある。このため、平成27年度における「望ましい食料消費の姿」と「生産努力目標」を示したうえでこれらが実現した場合の水準として、総合食料自給率目標等が示されている(図I−39)。</p> <p>   総合食料自給率については、食料が国民の生命と健康の維持に不可欠な基礎的物資であるとの観点から、前回の基本計画(12年3月策定)に引き続き、供給熱量ベースの目標設定が基本とされている。そのうえで、多様な消費者・実需者のニーズに的確に対応し、低カロリーであるものの健康上重要な野菜・果実、国内での生産が相当の割合を占めている畜産物の生産活動をより適切に反映する観点から、生産額ベースの目標もあわせて設定されている。</p> <p><em>(食料自給率向上に向けた行動計画に基づく様々な取組)</em></p> <p>  基本計画では、食料自給率向上に向けて、重点的に取り組むべき事項と関係者の役割を明確化することにより、食料消費、農業生産の両面の課題解決に向けた関係者の具体的な行動を呼び起こしていくこととされている。</p> <p>   このため、17年4月に、政府、地方公共団体、農業者・農業団体、食品産業事業者、消費者・消費者団体等の関係者からなる「食料自給率向上協議会」が設立され、同年5月には同協議会において策定された食料自給率向上に向けた行動計画に基づき、重点的な取組事項に沿って、関係者の適切な役割分担のもと、主体的に取組が推進されている(表I−12)。</p> <p>   例えば、食料消費面では、政府や食品産業事業者、消費者団体等による「日本型食生活」の促進に向けた「食事バランスガイド」の普及・活用等の食育の取組や、地方公共団体、農業団体等による地産地消の全国的な活動が推進されている。また、農業生産面では、食品産業事業者等による食品産業と農業の連携強化や、農業者・農業団体等による経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産等、様々な取組が行われている。さらに、地方公共団体の段階では、例えば、都道府県別の食料自給率目標が、16年度末までに既に8県*1で設定されていたが、17年度には山形県、福島県、栃木県、新潟県、佐賀県、熊本県、鹿児島県の7県で新たに設定され、市町村でも目標設定を行うところがみられる。</p> <p>   今後は、行動計画の推進状況等について点検・検証を行い、取組結果とその評価を踏まえつつ、より実効性のある取組の促進を図ることが重要である。</p> <p>   また、食料自給率は国民一人ひとりの食生活の実態や地域ごとの食料消費、農業生産の取組が反映されるものである。このため、自らの食生活や地域における農業生産のあり方について、国民一人ひとりが身近な問題として考え、地産地消や「日本型食生活」の実践、国産農産物の消費拡大等の食料自給率向上に資する具体的な行動に結び付く取組を推進することが求められている。</p> <p>*1 群馬県、埼玉県、岐阜県、三重県、滋賀県、広島県、徳島県、沖縄県。</p> <p><em>事 例</em></p> <p><em> 食料自給率向上に向けた取組</em></p> <p><em>(1)地域で食料自給率目標を設定し、向上に努める取組(島根県斐川町) </em>図5</p> <p>   島根県斐川町では、食料自給率の低下やBSEの発生等、食に関する様々な問題が起きるなかで、全国的に注目されている地産地消に着目して、地産地消を基本とするまちづくり構想を策定した。</p> <p>   同構想では、地産地消を踏まえた新しい生産様式の可能性の提示、食と農の文化の伝承と食を通じた教育の推進、地域の食料自給率の実態把握を掲げている。</p> <p>   これまで、国や都道府県段階の食料自給率は算出されていたが、市町村段階のものがほとんどなかったため、同町は独自の調査手法を用いて農産物の食料自給率を算出して45%(平成14年、重量ベース)であることが明らかとなった。</p> <p>   このため、同町では5年後には50%、10年後には70%に引き上げる目標を掲げている。目標達成に向け、〈1〉地元農産品のブランド化、〈2〉学校給食等への地元食材の利用、〈3〉地元の小売市場の活性化、〈4〉農業とのふれあいの推進、〈5〉食と農の拠点施設の整備の5つのプロジェクトを定めた。現在、安心を保証するブランドシールの作成、地元小売店における町内産農産物の取扱量の増加等に取り組んでいる。 </p> <p><em>(2)給食用野菜の8割を保育園の園児たちが栽培する取組(岐阜県羽島市) </em></p> <p>   岐阜県羽島市立足近保育園では、付近の不作付け地を無償で借り受け、園長、保育士、地域の老人クラブなどの協力を得ながら、園児たちによる有機質肥料を使った無農薬野菜の栽培に取り組んでいる。</p> <p>   この取組により、園児たちの多くは、自分たちで作った野菜が給食のメニューとなることが楽しみになり、給食を残さずに食べられるようになった。また、野菜の名前や旬、花の咲き方などを学び、普段食べている野菜がどのように栽培されているかなどについても関心をもつようになった。さらに、保育園の給食で使われている野菜の8割を自給できるようになり、給食の食材費用の減少分を建物の修繕やおもちゃの購入費用に回すこともできた。</p> <p>   今後は、この取組を継続するとともに、指導できる後継者の育成が課題となっている。写真9</p> <p><em>(3)消費者重視の販売戦略を検討し、自県産の農産物の販路拡大を推進する取組(群馬県)</em></p> <p>   群馬県では、今後の県産農産物の販路拡大を図るためには、従来の「作ったものを売る」といった生産指向から脱却する必要があると考えていた。そこで、15年度に、消費者、生産者、流通関係者、学識経験者や関係団体等で構成される「県産農産物販売戦略研究会」を設置し、地産地消、食品産業との連携、高付加価値化、流通構造対策、情報発信、観光との連携の6つの課題を中心に検討を重ね、17年3月に消費者の視点を重視した販売戦略の推進について県の基本的考え方をとりまとめた。</p> <p>   この基本的考え方を踏まえ、実需者と生産者を結び付ける「ぐんま農産物食材・産品フェア」(商談会)の開催や、販売に重点をおいた取組を行う生産者にアドバイザーを派遣する「県産農産物マーケティング支援事業」等、消費者・需要者側を意識した取組を行っており、県産農産物の販路拡大による食料自給率の向上が期待されている。</p> <p><em>(食料安全保障の確保に向けた取組)</em></p> <p>   国民の生存にとって不可欠である食料の安定供給を確保するためには、食料自給率向上に向けた関係者の取組を通じて国内の農業生産の増大を図ることを基本に、これと輸入と備蓄とを適切に組み合わせていくことが必要である。</p> <p>   このため、国内農業の食料供給力の要素である農地・農業用水、担い手、農業技術等の確保に加え、国際的な食料需給情報の収集、経済連携協定(EPA)*1の締結を通じた輸出国の生産の安定化、不測時の食料安全保障マニュアルの必要に応じた見直し、さらには米、麦等の適切かつ効率的な備蓄を推進することが重要である。</p> <p>   また、これら対策等について国民への普及・啓発を行うとともに、食料・農業分野の国際協力を通じた国際貢献の推進も重要である。</p> <p>   諸外国においても、過去の戦争経験等から食料安全保障政策の重要性を認識し、平時から様々な政策が実施されている(表I−13)。</p><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"></span><br style="clear:both;height:1px;overflow:hidden;"><h3>These are our most popular posts: </h3><span class="li4"><h4>インディアナ州 - Wikipedia</h4><span class="hi1" style="background-position:-px 0px;height:px;width:px;"></span>州の北はミシガン州に、東はオハイオ州に、西はイリノイ州に、南はケンタッキー州に接し ている。 ... 州は前年より47501人、または0.8%増加し、2000年より233003人、または 3.8%増加した、人口6313520人と概算される。 ... ショーニー族やウェア族は、ミズーリ 州やカナダへ逃げた。 ... 現在アメリカ連邦政府に公式認定を要求中の部族と部族団体 ... インディアナ州はトウモロコシ地帯 (w:Corn Belt) 内に位置していて、この州の農業 方法及び主な農場はこれを反映して生産を行っ ... 州の消費税率(Sales tax)は6%で ある。<a target="_blank" rel="nofollow" href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%8A%E5%B7%9E"> read more</a></span><span class="li4"><h4>貿易管理制度 - 米国 - ジェトロ</h4><span class="hi1" style="background-position:-px 0px;height:px;width:px;"></span>2011年10月26日 ... 消費者製品安全委員会(CPSC)関連:14. ... 個人が米国に持ち帰る、あるいは個人的 に取り寄せようとする際、それが個人消費目的でも規制されるものがある。 .... 例えば、 カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、ニューヨーク、テキサスなど経済規模の大きな州には 鉄・鉄鋼製品の国産品使用義務に加え、入札には州内企業を ... メキシコの製造業者は ほぼ自動的に有資格業者となるが、C-TPAT認定の輸入業者を米国に運営している といったいくつかの条件がある。 ..... 素材、化学物質、微生物、有毒物質 2.<a target="_blank" rel="nofollow" href="http://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/trade_02/"> read more</a></span><span class="li4"><h4>セキュリティホール memo - 2012.01</h4><span class="hi1" style="background-position:-px 0px;height:px;width:px;"></span>このページの情報を利用される前に、注意書きをお読みください。 ■ 2012.01.31. 》 バイロン原発 (US イリノイ州) 外部電源喪失、緊急停止 ... 日本のLNG輸入のメイン プレーヤーである電力会社は、燃料費が上がれば、その分だけ「燃料費調整」で値段を 上げ、消費者に価格を転嫁できる。 .... (4) MVAの存在は知られているが、実際の適用 方法や具体的な数値については正式には公表されていない。 .... DVの加害者は、被害 者だけではなくて、被害者の家族にも暴力をふるうという可能性というのが指摘されてい ます。<a target="_blank" rel="nofollow" href="http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/2012/01.html"> read more</a></span><span class="li4"><h4>パスタのブランド [TOMATO BASIL]</h4><span class="hi1" style="background-position:-px 0px;height:px;width:px;"></span>オーガニック農法とは化学肥料や農薬などに汚染されていない土地で自然の力だけで 作物を育てる手法のことで、アルチェネロの農場 ... 連盟)に加盟するイタリアのAMAB( マルケ州有機作物認定協会)などに認定されるなど、安全性、品質ともに最高級である。 .... 三代目社長ビンチェンツォ・ディベッラ自ら小麦粉のチェックをする程で、製造工程や 乾燥方法、乾燥字に均質に水分を蒸発 ... 家族の健康を願うお母さんの手作りの味と 栄養、それがパスタママス。 .... 日々、消費者ニーズにあわせた新製品の開発に余念が ない。<a target="_blank" rel="nofollow" href="http://tomato-and-basil.com/column/005_brand.html"> read more</a></span> <div style='clear: both;'></div> </div> <div class='post-footer'> <div class='post-footer-line post-footer-line-1'> <span class='post-author vcard'> 投稿者 <span class='fn' itemprop='author' itemscope='itemscope' itemtype='http://schema.org/Person'> <meta content='https://www.blogger.com/profile/09778992613903532236' itemprop='url'/> <a class='g-profile' href='https://www.blogger.com/profile/09778992613903532236' rel='author' title='author profile'> <span itemprop='name'>Sam</span> </a> </span> </span> <span class='post-timestamp'> 時刻: <meta content='http://killerpattytw.blogspot.com/2012/05/22241610676-101717120.html' itemprop='url'/> <a class='timestamp-link' href='http://killerpattytw.blogspot.com/2012/05/22241610676-101717120.html' rel='bookmark' title='permanent link'><abbr class='published' itemprop='datePublished' title='2012-05-15T06:04:00+09:00'>6:04</abbr></a> </span> <span class='post-comment-link'> </span> <span class='post-icons'> <span class='item-control blog-admin pid-500562828'> <a href='https://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=5589248261881976324&postID=5743404551205815477&from=pencil' title='投稿を編集'> <img alt='' class='icon-action' height='18' src='https://resources.blogblog.com/img/icon18_edit_allbkg.gif' width='18'/> </a> </span> </span> <div class='post-share-buttons 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data-version='1' id='Profile1'> <h2>自己紹介</h2> <div class='widget-content'> <dl class='profile-datablock'> <dt class='profile-data'> <a class='profile-name-link g-profile' href='https://www.blogger.com/profile/09778992613903532236' rel='author' style='background-image: url(//www.blogger.com/img/logo-16.png);'> Sam </a> </dt> </dl> <a class='profile-link' href='https://www.blogger.com/profile/09778992613903532236' rel='author'>詳細プロフィールを表示</a> <div class='clear'></div> </div> </div></div> </aside> </div> </div> </div> <div style='clear: both'></div> <!-- columns --> </div> <!-- main --> </div> </div> <div class='main-cap-bottom cap-bottom'> <div class='cap-left'></div> <div class='cap-right'></div> </div> </div> <footer> <div class='footer-outer'> <div class='footer-cap-top cap-top'> <div class='cap-left'></div> <div class='cap-right'></div> </div> <div class='fauxborder-left footer-fauxborder-left'> <div class='fauxborder-right footer-fauxborder-right'></div> <div class='region-inner 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